ADHDって、職場とか学校とかいろんな場所で嫌われますよね…。
僕も職場で、最初は仏のように優しかった人から日に日にイラつかれるようになり、最終的には「とださんとは仕事したくない」と陰で言われました。
でも悪いのは明らかに自分なんですよね。
悪気は全然なくて、むしろ嫌われないように気を張っているのに、最後には絶対嫌われてしまう。
ただでさえ仕事ができないのに、人間関係もボロボロで、出勤したり仕事の連絡をするのが本当に辛かったです。
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
- 職場や学校で嫌われてしまう
- どうして嫌われてしまうのかわからない
- 嫌われない方法が知りたい
そんな悩みを解決します!
この記事では、「ADHDが嫌われる理由」について解説。
最後まで読めば、ADHDが嫌われる原因を客観的に知ることができ、人間関係のトラブルを減らすのに役立てられます。
筆者の発達障害プロフィール
- 手帳3級のADHD
- ASD・APD・HSP傾向あり
- 社会人で発達障害が発覚
- 定型(健常者)にギリ擬態できる
- 一人暮らしは可能レベル
ADHDは脳の機能障害なので、きれいさっぱり解決することはできません。
しかし、対策しようと意識しているのといないのとでは大きく違います。
まずは嫌われるメカニズムを知るところから始めましょう!
目次
ADHDが嫌われる理由① 雑談ができない

業務の会話ならまだいいけど、上司のプライベートなんて興味ないし話が続かない…。
ADHDは目的のない雑談が苦手です。
興味のない事に取り組むのが苦痛なので、興味のない相手と興味のない話をするなんて拷問に近いですよね。
しかし会社では雑談のシーンが多く、人間関係も含めて仕事みたいなところがあります。
相手に嫌われていると、頼みごとをしたり質問したりするのが苦痛になるので、実務にも影響してきます。
- 目的のない会話が苦手
- 無意識に失言する
- 自分の話ばかりする
それでは、さっそく見ていきましょう!
目的のない会話が苦手
感情を言語化するのが苦手で、かつ相手が聞いてほしい事を察することができないADHDにとって、目的のない会話は鬼門です。
僕は元々喫煙者でしたが、喫煙所で誰かと出くわしたときに雑談しなければならないのが嫌すぎて、禁煙に成功しました。
- トークテーマのストックを常に5個は用意しておく。
- 人に話せる休日の過ごし方を考えておく。
- 興味がなくても相手の話を深掘る。
- オウム返し戦法で時間を稼ぐ。
- きちんと業界知識を仕入れておく。
とっさの対応で会話を進めていくのは難しいでしょうから、トークテーマと会話の戦法は事前に固めておきましょう。
特におじさんの社員ほど、自分に興味を持ってもらえると嬉しがるので、質問セットリストも仕込んでおくとよいですね。
自然な形での会話は困難なので、事前準備に力を入れよう!
無意識に失言する
ADHDは「他人の気持ちが分からない・空気が読めない・衝動的に発言する」の失言三拍子が見事に揃っています。
失言した直後に「言ってしまった…」と気付けるタイプなら、会話のテンポを自分で落とすことである程度コントロールできます。
しかし、「失言していたかどうかもわからない」パターンだと厄介です。
本人が無自覚である以上は気をつけようがないので、無難な会話を徹底して難を逃れましょう。
- 「あー」「確かに」「そうなんですね」などのフレーズで会話のテンポを遅らせ、一呼吸置く。
- 自分の意見を言わず、相手の意見の方向性に合わせる。
- 感想は聞かれるまで答えず、聞かれても「正直、全然わからないです」「難しいですよね」など適当にはぐらかす。
- 質問や話を振る時は、失言じゃないかを一瞬考える。
- 明言を避け、言いにくいことは「僕は~と思っちゃいますね」などマイルドな表現にする。
僕もこれらは常々心がけていますが、緊張したり時間に追わたりすると、テンパってつい余計な事を口走ってしまいます。
最強の対策は、「できるだけ雑談をしないよう逃げ回る」でしょうね。
テンパりやすい状況は避け、落ち着いて喋る癖をつけよう!
自分の話ばかりする
ADHDは自分の話ばかりしがちです。
- 興味があること(会話中なら自分の話)に夢中になる。
- 報酬系が弱く、自分の話をする快楽を優先する。
- 困惑する相手の気持ちや表情が読み取れない。
- 自分ばかり話すのは印象が悪いという感覚が理解できない。
- 相手に質問したり傾聴したりするスキルがない
僕はASD成分が多めなので、自分だけ話すことはあまりありません。
しかし相手に興味がなさ過ぎて会話を続けられず、間を持たせるため自分ばかり話してしまうことがあります…。
喋りすぎる人は、相手との会話では常に自分を抑えて我慢するくらいでちょうどよいでしょう。
相手への質問が浮かばなくて自分が喋ってしまう人は、トークテーマのストックを増やし、質問フレーズも練っておきましょう。
会話には我慢と苦痛が伴うものだと心得よう!
ADHDが嫌われる理由② 仕事のコミュニケーションが取れない

コミュ障は仕事でこそ致命傷になる…。
仕事でのコミュニケーションは、要点が絞られて端的に、かつ論理的であるべきです。
そして、タイミングや言い方にも気をつけなければならず、たいていの発達障害者はコミュニケーションによって殺されているでしょう。
僕も報連相がとにかく苦手で、それが苦痛すぎて退職しました。
Webライターを選んだのは対人コミュニケーションがないからで、もう会社員としてやっていける自信はありません…。
- 適切な報連相ができない
- 間違いを認められない
- 聴覚情報処理障害(APD)
今回は、コミュニケーション問題の中でも致命的なものを集めました。
それでは見ていきましょう!
適切な報連相ができない
報連相は、発達障害者にとって難易度がとても高いです。
- 伝えるべき内容がわからない
- 要点をまとめられない
- タイミングがわからない
- 間違って理解してしまう
- 怒られまくってトラウマになる
定型(健常者)がなぜこれを当然のようにできるのか理解できず、「やっぱり自分は障害者なんだな」と思わずにはいられませんでした。
僕は最後まで報連相が満足にできず、上司に1日2回の定時連絡をすることで、大事故だけは防ぐようにしていました。
詳しい対策法は、【対策あり】発達障害が報連相できない理由【5選】に描いています。
視覚優位の発達障害者だと、なおさら報連相がトラウマに…。
間違いを認められない
ADHDとASDが併発している場合、ASDによるこだわりの強さが出てしまうことがあります。
相手のアドバイスや指摘を素直に受け入れることができず、言い返したり、敵意をむき出しにしたりしてしまうことも。
僕は自己肯定感の低いネガティブタイプだったので、攻撃的な症状は出ませんでした。
しかし、同じやり方を繰り返すと安心するので、新しいマニュアルや指示を無視することはあったかも…。
素直さは性格なので、急に変えることは難しいです。
何か反論したくなったら、一呼吸おいてから発言する癖をつけると冷静に話を進められますよ。
会話のテンポを落とし、相手の意見や真意を把握しながら話そう!
聴覚情報処理障害(APD)
「聴覚には問題ないのに、なぜか人の声が聞こえない…。」
そんな悩みを抱えていませんか?これは発達障害者にありがちな症状で、聴覚情報処理障害(APD)と言います。
正確には聞こえないのではなく、”聞き取れない”です。
耳に入るすべての音を優先度関係なく同時処理し、かつ会話の内容も理解しなければならないので、発達障害者の脳がパンクしてしまうのです。
詳しい対策法は、【対策あり】APD(聴覚情報処理障害)は仕事ができないにまとめています。
落ち着いた環境なら症状は比較的マシ。だが勤務中はテンパっているので最悪…。
ADHDが嫌われる理由③ 仕事ができない

会社だけらね、無能は嫌われて当然だよね…。
会社においてADHDが嫌われる大きな原因は、シンプルに仕事ができないことですね。
これを言ったら身も蓋もありませんが、どんなに人当たりがいいADHDでも、いずれは嫌われてしまうのはド定番。
- 「普通わかるだろ」がわからない
- 作業時間がかかり過ぎる
- 理解力と記憶力が悪い
今回は、無数にあるADHDが仕事をできない理由の中から、特にイラつかれやすいものをピックアップしました。
改善しようのないものばかりですが、解決は無理でも対策は可能です。
さっそく見ていきましょう!
「普通わかるだろ」がわからない
ADHDは、空気を読んだり常識的な感覚を理解したりするのが困難です。
そのため、曖昧な指示や阿吽の呼吸、「これくらいわかって当たり前でしょ?」という前提を読み取れません。
この”察する能力”は、どう頑張っても伸ばせないです。
できるのは逐一確認すること。
- 指示を受けたらその場で復唱する。
- 進捗の20%時点で、方向性が合っているか確認する。
- 少しも違和感があったら相談する。
- ウザがられても怒られても、自分のためにしつこいくらい確認する。
ここまで慎重になると、どのみち嫌われます。
しかし事故を未然に防げるので、壊滅的に嫌われることはありません。
嫌われるのは前提で、いかに嫌われ度を下げるかを考えよう!
作業時間がかかり過ぎる
指示した上司が想定するよりはるかに進捗が遅れるので、サボっているように思われるわ、管理するのに面倒くさがられるわで散々です。
僕も集中して効率よく進めようとしてきましたが、どうしても他の社員と比べてスピードが上がらない。
おまけにミスは増える一方で精度も落ちるので、完全に逆効果でした。
- 順序の組み立てが下手。
- ひとりで抱え込む。
- 完璧主義で細かいところにこだわる。
- 複数タスク抱えており、集中できない。
- 柔軟な対応ができない。
この中でも最優先は、「マルチタスクを避ける」です。
ADHDは集中力が持続せず局所的、かつ複数の作業を同時に処理できません。
ひとつの作業に集中するスタイルを作りましょう。
業務量を減らしてもらう、時間帯でやる作業を区切る、会議室を貸し切って静かに作業する、などの対策をしよう!
理解力と記憶力が悪い
何度言っても理解できず、説明してもすぐに忘れる。
自分がADHDと自覚してから退職するまで、このハンデはずっと付きまとってきました。
僕の場合は、「時間のゆとりがある中で、文字で視覚的に、ゆっくりと説明されれば」理解も記憶もできますが、そんな恵まれた状況はめったにありません。
- 復唱や質問で、時間をかけて理解を深める。
- 受けた指示の目的と作業のゴールを把握する。
- 以前似たような作業をしてないか、一度確認する。
- メモの媒体は3つ以上にして、嫌でも目に入れる。
- 自分用マニュアルで手順を思い出しやすくする
瞬間的な理解や記憶はできないので、不器用なりに時間をかけたり、ツールを使ったりしましょう。
要領よく振舞おうとするのはやめよう!
ADHDが嫌われる理由 まとめ

この記事では、「ADHDが嫌われる理由」についてまとめました。
最後のもう一度、ポイントをおさらいしましょう。
- 雑談ができない
- 仕事のコミュニケーションが取れない
- 仕事ができない
仕事もできなければ、人間力で媚を売ることもできない。
ADHDは八方塞がりで、むしろ嫌われない方が理屈として合っていません。
ポイントは、苦手な状況を避けて事前準備に時間をかけることです。
できないことはできない割り切り、その分対策に時間や労力をかけて、やっと定型とトントンになります。
何とか会社に居られるうちはいいですが、あまりにも業務内容や人間関係が向いていない場合、転職も視野に入れたほうがいいです。
僕は上司に発達障害を打ち明けていましたが、それでもパワハラ気味で怒られ続けたので、もう限界だと思って退職しました。
本当に精神的に苦しくて、やはり年収が下がっても自分に合った仕事をしたほうがよいです。
おすすめの障害者雇用や退職代行は下の記事にまとめているので、ぜひ併せてご覧下さい!