ADHDの大きな悩み、それは先延ばしですよね。
僕もADHDなので、先延ばしで仕事も生活もボロボロでした。
ですが今では、ちょっとした心がけの積み重ねで、先延ばしをある程度克服できています。
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
- 先延ばしがどうしても治せない
- 先延ばしのせいで仕事ができない
- 先延ばしで生活がうまくいかない
そんな悩みを解決します!
この記事では、「ADHDの先延ばし対策」について解説。
最後まで読み終われば、先延ばしので困ることが減り、生きやすくなる方法がわかりますよ!
筆者の発達障害プロフィール
- 手帳3級のADHD
- ASD・APD・HSP傾向あり
- 社会人で発達障害が発覚
- 定型(健常者)にギリ擬態できる
- 一人暮らしは可能レベル
もちろん、症状の重さや特徴には個人差があるので、全ての人に通用するわけではありません。
参考になりそうな箇所だけピックアップし、自分なりの形で実践してみてください!
目次
ADHDの先延ばし【特徴】


ADHDの先延ばしには、次のような特徴があります。
- 締切ギリギリまで先延ばし
- 損だとわかっていても先延ばし
- 生理現象すら先延ばし
定型(健常者)にも先延ばしにしがちな人は大勢いますが、ADHDとは程度が違います。
締切ギリギリまで先延ばし
ADHDは、締切ギリギリにならないと動けません。
「そろそろやらないとマズいな…」の基準が、本当に”マズい”ラインで設定されているんですね。
- 時間の感覚がズレている
- タスク管理が曖昧なので楽観的
- 怒られるのに慣れ過ぎている
こうした理由から、いつも余裕のないスケジュールで作業し、挙句に期限を破ります。
自分でまいた種なのに、相応に消耗するのもADHDのタチが悪いところですね。
強制力がないと動けない
損だとわかっていても先延ばし
定型なら、多少先延ばしはするものの、それによって自分が損することは避けます。
「上司に注意される」「かえって忙しくなる」とわかっているなら、めんどくさいなりに進めるんです。
一方でADHDは、たとえ自分に被害が出るとわかっていても、先延ばしをやめられません。
発達障害は他人のためなら積極的に動けるのに、自分のためだとモチベーションが上がらない人が多いです。
これには自己肯定感の低さが影響していると思われます。
自分のためには動けない
生理現象すら先延ばし
ADHDの先延ばしは、生理現象にまで及ぶことも。
- 気持ち悪いが、風呂はめんどうだから我慢
- トイレに行きたいけど、めんどうだから我慢
- 寒いけど、毛布を出すのがめんどうだから我慢
- 空腹だが、食事の用意がめんどうだから我慢
僕としては当たり前の事だったんですが、どうやら定型は違うようですね。驚きました。
「マズローの欲求5段階」の最下層ですら放棄するので、そりゃ仕事なんてできるわけないですよね。

人としての当たり前すら先延ばしにする
ADHDの先延ばし【原因】


ADHDが先延ばしをする原因は次の5つです。
- ドーパミン不足
- 終わりのないタスク
- 衝動性を止められない
- 優先順位に悩む
- 恐怖からの逃避
”めんどくさいから”の中にも、ADHD特有の悩みがあるんです。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
ドーパミン不足
ADHDは、ドーパミン(快感を伝える神経伝達物質)が不足しているとされています。
いい結果がすぐに出ない事だと、なかなか行動できないんです。

先延ばしにしようがしまいが、目に見えて得することはないですからね。
(実際は先延ばしでいろいろ大損するんですが…)
ADHDの先延ばしは性格ではなく、脳の機能障害です。
定型より不利なのは生まれた瞬間に確定しているので、比べる必要はありませんよ。
先延ばしは治せるものではない
終わりのないタスク
「早く取り組んだだけ早く終わる」というタスクなら、まだやる気が出ます。
ですが、早く取り組んだだけ仕事が増えることってありますよね。
- クライアントへの提案
- メールの返信
- 新規営業・テレアポ
- 作った資料を確認してもらう→直し
せっかく重い腰をあげて取り組んでも、さらなるタスクの発生が目に見えている。
そのため「頑張っても終わりがないなら、最初からやらなければいいんじゃね?」というトンデモ理論になるんです。
早く取り組むメリットが薄いと、やる気が出ない。
衝動性を止められない
ADHDは、一度気になったことを最優先タスクにしてしまいます。
頭では「こんな事してる場合じゃない」とわかっているのに、それを止めることができません。
というよりは、「衝動を止めるために葛藤するのがめんどくさい」といったところでしょうか。
優先順位に悩む
発達障害者は、優先順位を決めるのが苦手です。
重要度・緊急性・人間関係など、あらゆる要素を考慮するのが優先順位です。
ワーキングメモリ(情報処理能力)が小さい発達障害に、この作業はとても困難です。
僕も会社員時代は優先順位づけができなくて、最終的に上司に丸投げしていました。笑
優先順位をつけるのがめんどくさくて、結果すべてを後回しにしてしまうんですよね。
関連記事:【大人の発達障害】マルチタスクができない原因と対策
複数タスクに取りかかるまでのハードルが高い
恐怖からの逃避
ADHDにミスはつきもの。
基本的に何をしても怒られます。
僕も会社員時代は、毎日息を吸うたびに怒られていたような状況でした。
そうなると、単純に作業に取りかかるのが怖いんですよね。
たとえば上司に質問しに行けば、「もっと早く聞いてこい」「何でこれがわからないんだ」と怒られるのがわかりきっています。
わざわざ怒られるために、先延ばしをやめてパッパと行動するなんて、そんなのド変態ですよね。
怒られるのが大前提なので、行動する気にならない。
ADHDの先延ばし【困る事】


ADHDが先延ばしで困る事は、次の3つです。
- 評価が下がる
- 精神ダメージはある
- 自己肯定感が下がる
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
評価が下がる
先延ばしをしていると、単純に評価が下がります。
- 仕事が遅い
- リスク管理ができない
- やる気がない
- 努力不足
本人は苦しんでいるんですが、周りから見たらこうなりますよね。
すぐに行動したところでどうせ怒られるのに、先延ばしにしたらコレ。
八方ふさがりで、人間関係はどんどん悪くなっていきます。
自分が思っているより、定型からの評価は悪い
精神ダメージはある
先延ばししても、決して楽になることはありません。
頭の片隅には、先延ばしにしたタスクがずっと残っているんですね。
期限ギリギリになって存在を思い出すのではなく、常に思考を漂っています。
不安やストレスは先延ばしにされずに継続していくので、精神的に疲弊し、余計に疲れてしまうのです。
むしろ先延ばしにすることが負担になってしまう。
自己肯定感が下がる
仕事は進まず、評価は下がりつづけ、無駄に精神ダメージを負うのが先延ばしです。
こんなことを繰り返していたら、自己肯定感はどんどん下がっていきます。
ダメなのはわかっているけど、どうしても体が動かない。
周りからは「甘え」「みんな同じ」と攻め立てられる。
そうしてさらにやる気をなくしてしまい、悪循環に陥ります。
自己肯定感が下がると、ますます動けなくなる。
ADHDの先延ばし【対策】


ADHDの先延ばし対策は、次の4つです。
- 思考停止で手を付ける
- タスクを可視化する
- シングルタスクを繰り返す
- 怒られるのは大前提
「何となくめんどくさい」を解消するのが、先延ばし対策に有効です。
それでは、見ていきましょう!
思考停止で手を付ける
頭でグダグダ考える前に、瞬発的に体だけを動かしましょう。
よく「やる気が出たらやろう」って思いますけど、それは間違っているんですね。
まず体が動いてから、脳が「おっ、作業始めてるやん!」と気付いて、やる気を出してくれます。
「やる気が出るから行動する」ではなく、「行動した結果やる気も出る」のです。
余計な感情が湧いてくる前に、キーボードを触りましょう。
悪い記憶がフラッシュバックする間もなく、上司に質問しにいきましょう。
行動してから、やる気も追いつく。まずは行動。
タスクを可視化する
仕事がめんどくさいのは、やるべきことがハッキリしてないからです。
タスクを細かく分けてみると、ひとつひとつのハードルは意外と低いことが分かります。
「商談の資料作成」
- 目次作成→上司に確認してもらう
- データ整理→他部署の人に質問
- 参考にする過去資料の収集
- 前回商談の内容整理
どうでしょうか。
こうしてタスクを可視化すると、「何となくめんどくさい」から一歩進みます。
依然としてめんどくさそうですが、行動のハードルは下がり、計画も立てやすくなりますね
タスクを可視化し、漠然とした不安を消そう。
シングルタスクを繰り返す
やることが多くてパニックになり、全てを放棄する。
これを防ぐための考え方は、「マルチタスクは”シングルタスクの集合体”である」です。
同時にあれこれ手を付けようとしてはいけません。
最優先のタスクをひとつ選び、集中して取り組みます。
それが終わったら、次の最優先タスクを選ぶ。
この繰り返しで、「優先順位がわからない問題」を乗り越えていきます。
複雑な優先順位を決める必要はない。
怒られるのは大前提
発達障害はずば抜けてミスが多いし、要領も悪い。
これは死ぬまで直りません。
「怒られるのが怖くて行動できない」、その気持ちはよくわかります。
ですが発達障害に産まれてしまった以上、それは避けて通れません。
心を殺して、タスク処理だけを考えて即行動してください。
それで本当に心が壊れそうなら、僕のように転職しましょう。
怒られるのを怖がるだけ無駄。
ADHDの先延ばし対策 まとめ

この記事では、「ADHDの先延ばし対策」について解説。
最後にもう一度、ポイントのおさらいをしましょう。
- 先延ばしは治らない
- デメリットが大きすぎる
- 思考停止のシングルタスクで乗り越える
ADHDの先延ばしは、意志で克服できるものではありません。
むしろグダグダ考えだす意志の方が邪魔です。
「どう行動していくか」をあらかじめ決め、システムで対策をしていきましょう。
しかし、ADHDの生き方に反したアクションプランになるので、ストレスは半端ないと思います。
今の仕事で取り組む前提で書いていますが、いよいよ無理になったら逃げてください。