ADHDには「コンサータ・ストラテラ・インチュニブ」という3種類の治療薬があります。
実際に僕もコンサータを3か月間服用していました。
ネットでは「症状が治った!」「健常者みたいになれた!」という声がありますが、個人的には「特に効果なし」という感想です。
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
- コンサータが本当に効くのか知りたい
- コンサータの副作用を知りたい
- コンサータを飲んでも効果が出ない
こんな悩みを解決します。
- コンサータの効果と副作用
- コンサータをやめた理由
- コンサータなしでも改善する方法
実際にコンサータを服用しながら働いた経験のある僕が、コンサータの効果について解説していきます!
目次
コンサータの効果が出るしくみ


コンサータは登録された医者からしか処方されない、制限の厳しい薬です。
「ドーパミン」という神経伝達物質を体に取り入れやすくすることで、ADHDの症状をおさえる効果があります。
専門医の診察を受けなければもらえないので、病院やクリニックで相談してみましょう!
コンサータはADHDの治療薬
コンサータはADHDの人に処方される飲み薬です。
注意欠陥・多動性・衝動性をおさえる効果があります。
効果は12時間なので、出勤時に飲んで退社時に効果が切れる形になります。
コンサータは登録された医者でないと処方できず、どこの病院でももらえるわけではありません。
通院する病院を選ぶときは、コンサータを処方してもらえるか事前に確認しましょう!
コンサータは厳しく制限された治療薬
コンサータの効果が出るしくみ
コンサータは「ドーパミン」という神経伝達物質が機能するのをサポートする薬です。
ドーパミンには「行動を始める」「ワーキングメモリを使う」といった役割があります。
ADHDが大事なことをつい先延ばしにしてしまったり、頭の回転が遅かったりするのは、ドーパミンがきちんと伝達されていないのが原因の一つです。
このドーパミンの神経伝達をスムーズにすることで、ADHDの症状をおさえられます。
ドーパミンを取り入れるサポートをする薬
コンサータの値段
コンサータの値段は、いちばん軽い18㎎で103円、いちばん重い72㎎で246円になります(自己負担3割)。
僕は72㎎を、仕事がある平日5日間だけ飲むようにしていたので、1か月で約5,000円の費用がかかっていました。
けっこう痛い出費ですが、これでADHDの症状が緩和されるなら、十分に価値があります!
精神障害者手帳を取得できたら自己負担1割になるので、僕の場合なら約5,000円→1,600円とだいぶ安くなりますね。
精神障害者手帳の取得方法については、【大人の発達障害】精神障害者手帳のメリット】で詳しく解説しています。
安くはないが、支払う価値は十分あり
コンサータの効果 メリット


コンサータのメリットは、主に3つあります。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
①優先順位をつけやすくなった
コンサータのメリット一つ目は、「優先順位をつけやすくなった」ことです。
今までの僕は、スケジュールが急に変更になったり、複数の人から仕事を与えられたりしたとき、優先順位がつけられずパニックになっていました。
気になったものから片づけるていたら、重要なものや早く処理しなければいけないものを見落としてしまいます。
コンサータを飲んでからは、以前よりは優先順位づけがうまくなりました。
目の前の状態だけでなく、先のことまで考えたうえで判断できるようになったのです。
そのため、「本当に優先するべきもの」と「後回しでもいいもの」の区別がつくようになりました。
優先順位の判断基準が”見える”ようになる
②気付きやすくなった
コンサータのメリット二つ目は、「気付きやすくなった」ことです。
具体例は、下記になります。
- 事前に確認したほうがいい箇所がわかる
- 質問するとき「ついでに」聞くことができる
- 相手が欲しがっている情報を察することができる
- 会議室や営業車の手配まで視野に入る
…etc
今までの自分ならミスしていたことも、なぜか事前に気付くことができるようになったのです。
ごく自然に、先を見通す力が高まったのを感じました。
ミスを起こす前に気付けるようになった!
③集中しやすくなった
コンサータのメリット三つ目は、「集中しやすくなった」ことです。
今までは頭に霧がかかったような気分で、何をしてもいまいち集中することができませんでした。
おまけに上司からのプレッシャーや時間制限、雑音に空調などを必要以上に気にしてしまうため、効率にわりに無駄な疲労を感じていました。
コンサータを飲んでからは、今までよりもクリアな頭で集中できるように。
過集中のようなのめり込みではなく、周囲の状況も気にかけることができるようになりました。
頭がクリアになり、集中がコントロールできるように。
コンサータの効果 デメリット


コンサータには副作用があります。
強さは人それぞれですが、僕は常に風邪をひいているような状態でした…。
僕が感じたコンサータの主なデメリットは3つです。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
①吐き気
コンサータのデメリット一つ目は、「吐き気」です。
朝から晩まで気持ち悪くて、会社にいるだけでもつらかったです。
それでも気力をふりしぼって働いていたので、毎日12時間の拷問を受けているような気分でした。
でも不思議と、どんなに体が疲れていても、頭だけは独立して動いているような感覚になります。
そのため、「体は最低限うごいたらOK」と思いながら仕事をしていました。
12時間、吐き気におそわれる。
②食欲低下
コンサータのデメリット二つ目は、「食欲低下」です。
吐き気にともなって、食欲低下も問題になります。
僕はコンサータを服用する前は、1食で米2合食べるくらい大食いでした。
ですがコンサータを服用することで、吐き気により食欲は一気に消え失せます。
食欲不振で体重は1か月で10㎏近く落ち、エネルギー不足を実感するくらい食べれていなかったですね。
食事がしっかりとれないと体調も悪くなるので、いつも微熱のような状態が続いていました。
食欲低下は体調不良につながる。
③動悸・息切れ
コンサータのメリット三つ目は、「動悸・息切れ」です。
コンサータを服用しているときは、いつも心臓がバクバクしていて、会社の階段を上がるだけでも疲労困憊でした。笑
たとえば商談や会議で緊張したあとって、精神的にも肉体的にもドッと疲れてしまいますよね。
僕の場合は12時間その状態が続くようなものなので、家に着いたあとは何もすることができなくなります。
12時間ずっと緊張状態が続く。
コンサータをやめた理由


僕はコンサータを3か月間試してみましたが、今では服用していません。
僕がコンサータをやめた理由は、下記の3つです。
- 効果があくまで”当社比”
- 依存症になった
- 常に体調不良
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
①効果があくまで”当社比”
コンサータをやめた理由の一つ目は、「効果があくまで”当社比”」ということです。
これまで僕が挙げてきたコンサータのメリットは、あくまで「自分の中では」の話です。
社会人最低レベルからは脱出できたかもしれませんが、それでは健常者の平均にも及びません。
それに、今まで上司は「こいつマジで仕事できないな」という前提で接してくれていました。
ですがコンサータの効果で人並みくらいの能力を手にしたことで、要求レベルがはね上がってまい、けっきょく対応できなくなります。
けっきょく健常者には勝てない
②依存症になった
コンサータをやめた理由の二つ目は、「依存症になった」ということです。
コンサータがあれば、当社比ではありますが、わずかに能力を上げることができます。
小さな能力上昇でも、一度味わうと後戻りが怖くなって、コンサータなしでは生きていられなくなります。
ですが仕事はできないままなので、毎日終電近くまで残業です。
そのため、効き目が20時くらいに切れたら、追加でコンサータを服用していました。
用量を超えているし副作用で眠れなくなるのですが、それでもコンサータがないと仕事ができない状態になってしまいました。
依存症になり、手放せなくなる
③無能なのに体調不良
コンサータをやめた理由の三つ目は、「常に体調不良」ということです。
副作用によって体はボロボロ、食事によるエネルギー摂取もまともにできず、精神的にも疲弊。
それでも人並みくらいに仕事ができるようになれば、そのくらいの不幸は甘んじて受け入れます。
ですが現実はいつまで経っても「仕事ができないヤツ」。
このまま「薬の力を使っても自分は無能」という絶望に耐えることができませんでした。
体調だけ悪い無能になり下がる
コンサータの効果なしでも改善する方法


頼みの綱であるコンサータでも改善しなかったら、自分の手で何とかするしかありません。
ここからは、コンサータがなくても業務改善する方法について書いていきます!
- マルチタスクをやめる
- 作業量を減らしてもらう
- マニュアルをつくる
また、詳細は【対策あり】発達障害の仕事が続かない理由【5選】にも書いているので、ぜひご覧ください!
①マルチタスクをやめる
コンサータなしで改善する方法の一つ目は、「マルチタスクをやめる」ことです。
ADHDは処理能力が低く、衝動的に行動してしまうので、タスクが多いほど混乱し、判断を誤ります。
複数の作業を同時にこなすのではなく、最優先でやるべきことを一つだけ決めてから取りかかりましょう。
つまり、「1日の業務はシングルタスクの繰り返し」という考え方です。
やると決めてしまえば、迷うことも先延ばしにすることはなくなります。
自分でシングルタスクの状況をつくろう!
②作業量を減らしてもらう
コンサータなしで改善する方法の二つ目は、「作業量を減らしてもらう」ことです。
処理能力・作業効率・対応力・判断力のすべてが欠けているADHDは、作業量自体を減らしてもらうのがいちばんいいです。
「ただでさえ作業量を少なくしてもらってるのに、これ以上なんて言いにくい…」と思う方もいるでしょう。
しかしそれでも対応しきれていないのが現実である以上、量を減らしてもらう他ありません。
そうして成功体験と信頼を積み重ねていったあとで、仕事を増やしていっても遅くないです。
焦らずに自分のできることから始めよう
③マニュアルをつくる
コンサータなしで改善する方法の三つ目は、「マニュアルをつくる」ことです。
ADHDはミスして怒られても、次にまた同じミスを繰り返します。
なぜなら、短期記憶が弱いために別の記憶がどんどん上書きされてしまうからです。
そこで、怒られた事をひたすらメモして自分専用のマニュアルをつくりましょう!
やるべき事と注意点があらかじめわかっていれば、自分で考える量が減るので効率が良くなります。
基本的にADHDは怒られまくって学ぶ「死に覚え」スタイルなので、メンタルケアだけはしっかりと取り組んでください。
怒られた学びを活かそう!
コンサータの効果 まとめ

この記事では、「コンサータの効果」について解説してきました。
もう一度、ポイントをおさらいします。
- 症状の改善はみられる
- 改善の程度には個人差がある
- 副作用が合わない人もいる
コンサータによって人並みに仕事ができるようになった人もいれば、僕のようにたいして改善しなかった人もいます。
それでも可能性にかけてみる価値は十分にありますし、障害者手帳を取得できれば負担も軽くなりますよ。
どのような結果であれ、迷っているなら行動することをおすすめします!
