書評

【発達障害に役立つ本】エッセンシャル思考【発達障害を改善する思考法】

発達障害、特にADHDの注意欠陥や衝動性は厄介ですよね。

仕事ではミスの原因になり、日常生活でも支障をきたします。

本人は本当に努力しているのに、どうしてもうまくいかない。

でも周囲はそれを「言い訳」「甘え」と言って、理解してくれません。

今回紹介する本は、企業コンサルタント、グレッグ・マキューン著のエッセンシャル思考です。


無駄な行動を減らし、必要な時間を確保する方法について書いています。

発達障害の働き方や生活習慣の改善に取り入れられるので、とてもおすすめな本です。

こんな人におすすめの本!

  • 仕事がうまくいかない
  • やるべき事に集中できない
  • 努力が継続できない

脳の容量が小さい発達障害と、無駄な事を削るエッセンシャル思考は、とても相性がいいです。

「エッセンシャル思考」を読むことで、仕事や生活にメリハリがつき、今までより楽にこなせるようになりますよ!

それでは、発達障害の視点から解説していきます!

目次

エッセンシャル思考で改善できること

メモを取る
疲れたサラリーマン
疲れたサラリーマン
発達障害のせいで、1日中何してもうまくいかない。

エッセンシャル思考で改善できることは、次の3つです。

改善できること
  1. 仕事の効率
  2. 集中力
  3. 習慣

それでは、一つずつ見ていきましょう。

仕事の効率

発達障害者は、仕事の効率がとても悪いです。

  • やるべき事が多くて手を付けられない
  • 障害特性でできない事が多い
  • 作業スピードが遅い

クオリティは低いのにスピードも遅く、絵に描いたような無能。

僕は社会人で発達障害の診断を受けましたが、「自分は無能側の人間だった」という事実がとてもショックでしたね。

仕事ができない人の特徴が全て当てはまっている。

集中力

発達障害、特にADHDは気が散りやすいため、集中力がありません。

特に興味がないことにまったく集中できないので、仕事でとても困ります。

ちなみにADHDには「過集中」といって、寝食を忘れるくらい、短期的な超集中ができる人もいるみたいです。

僕はADHDと診断されていますが、過集中など経験したことがなく、発達障害の才能にも恵まれなかったということですね。

発達障害者は余計な事を気にして、集中力に欠ける。

習慣

発達障害の生活習慣はめちゃくちゃです。

夜遅くまでスマホを見て、健康的な食事や運動は続かない。

頭ではダメだとわかっていても、体がどうしても言うことを聞いてくれません。

努力して一時的には改善しますが、すぐ元の生活に元通りです。

生活の乱れは集中力や体力の低下にもつながるので、発達障害の悪い特性がさらに目立ってしまいます。

悪い生活習慣が悪循環を生み、抜け出せなくなる。

エッセンシャル思考で改善【仕事の効率】

歯車の画像
疲れたサラリーマン
疲れたサラリーマン
発達障害の頭じゃ、効率のいい働き方なんて無理だよ…。

エッセンシャル思考で仕事の効率を改善する方法は、次の3つです。

仕事の効率を改善する方法
  1. 仕事を選択する
  2. ボトルネックを改善する
  3. 早く小さく進める

それでは、一つずつ解説していきます。

仕事を選択する

「仕事を選ぶ権利があると思ってんの?お前会社員エアプか?」

そんな声が聞こえてきそうですね…。

これは「好きな仕事を選ぶ」という意味ではなく、「できない仕事を無理して引き受けない」という意味です。

発達障害は自己肯定感が低く、嫌われることにトラウマがあります。

そのため、頼まれた仕事を断れず、自分の負担を増やすことに。

仕事が増えれば、ミスも作業時間も考えることも増え、パフォーマンスは低下します。

それは自分の本業に支障をきたすので、「すみません、手が回らなくて…」と勇気をもって断りましょう。

発達障害は余裕がないので、自分の事だけ考えるのが正解。

ボトルネックを改善する

発達障害には仕事をするうえでの弱点が多数あります。

その中でも、ボトルネック(仕事全体の効率を下げる弱点)を発見しましょう。

すべてを改善しようとするのではなく、ボトルネックだけに集中すればOKです。

たとえば僕のボトルネックは、「報連相ができない」です。

変な質問をして怒られたり、人の時間を奪っている気がしたりするのが嫌で、報連相を避けていました。

その結果、ひとりでグダグダ悩んだ挙句にミスをして、何倍も効率は悪くなります。

このボトルネックをひとつだけ改善することで、

  • 作業効率が格段に上がる
  • アドバイスをもらいやすくなる
  • 同僚とのつながりができる
  • 上司からの評価が上がる

このような大幅なメリットが生まれるのです。

ボトルネックの改善は効果が大きいので、やりがいがある。

早く小さく進める

計画性のない発達障害や、過集中のあるADHDは、締切ギリギリになって動き出しますよね。

その原因は、条件に恵まれたケースを想定して予定を立てているからです。

ですが毎日5分だけでいいので、締切までコツコツ作業を勧めましょう。

ほんのわずかでも作業が進んでいるという実感があるだけで、やる気が高まり先延ばしが減りますよ。

何より、直前に焦るのはプレッシャーやストレスの原因となるので、壊滅的に効率が悪くなります。

ミスを誘発する原因をあらかじめ取り除くのも、発達障害に有効な仕事術です。

一気にやらなくていいので、小さく早く動く癖をつけよう。

エッセンシャル思考で改善【集中力】

集中の画像
疲れたサラリーマン
疲れたサラリーマン
気が散ったり、記憶がフラッシュバックしてりて集中できないよ…。

エッセンシャル思考で集中力を改善する方法は、次の3つです。

集中力を改善する方法
  1. いま現在だけ考える
  2. リストアップと選択
  3. プレッシャーを排除する

発達障害者に集中力が欠けるのは、仕方のないことです。

ですが、仕組みと環境を変えることで、集中力の質を上げることはできます。

いま現在だけ考える

根本的な意識として、いま現在だけを考えるようにしましょう。

僕はよく「昨日やっておけばよかった」「これからこの会社でやっていけるかな…」と、過去の後悔・未来への不安ばかり考えていたんですね。

思考の半分は”いま”と関係ないことに奪われていたので、集中できていませんでした。

「いまやるべきことは、商談資料のファーマットを作ること」と、目の前のことだけ考えていればよかったんです。

瞬間瞬間で最善の行動を積み重ねていけば、未来は確実に良くなっていくし、過去に後悔することもなくなります。

発達障害の人生は、いまを一生懸命生きることでしか救われないのです。

「いまこの瞬間にやるべきこと」だけ考えよう。

リストアップと選択

とはいえ、「”いま”にだけ集中しろ!」と言われて、簡単にできたら苦労しませんよね。

実行するためのコツは、リストアップと選択です。

今日やるべきこと・やりたいことをリストアップして可視化しましょう。

その中から一つだけ選択し、あとは線を引いて消してしまうのです。

頭で考えるだけでは、どうしても漠然とした不安に襲われます。

可視化して選択することで、「いまの課題に向き合っている」という実感を得られるのです。

それにリストを確認することで、発達障害特有の物忘れ対策にもなりますよ!

頭の中だけでなく、可視化することで実行しやすくなる。

プレッシャーを排除する

発達障害はプレッシャーに弱く、それで頭がいっぱいになります。

なるべく、プレッシャーの原因は排除しましょう。

たとえば時間のプレッシャー。

「納期は自分が思う1.5倍の時間で申告する」「毎日、小さく早く進める」といった行動で、時間にゆとりを持てるようにしましょう。

作業スピードを早めようとしても、発達障害には限界があります。

無理して急ぐのではなく、そもそもの時間的余裕(バッファ)を作り出す工夫をしましょう。

自分の能力ではなく、条件や環境を変えたほうが効果的です。

能力は変えられないが、環境や条件はすぐに変えられる。

エッセンシャル思考で改善【習慣】

整理された部屋
疲れたサラリーマン
疲れたサラリーマン
心を入れ替えて頑張ろうと思っても、続かないんだよね…。

エッセンシャル思考で習慣を改善する方法は、次の3つです。

習慣を改善する方法
  1. 精神論を捨てる
  2. 行動を自動化する
  3. トリガーに注目する

継続的な努力ができないのは、あなたではなく発達障害のせい。

発達障害のせいということは、精神論では解決できないということです。

精神論を捨てる

「毎日の筋トレが続かない」「早めに出社したいのにダラダラしてしまう」

このように、努力を続けられず自己嫌悪におちいる発達障害者も多いのではないでしょうか。

発達障害は、何かを達成した時に報酬を感じにくいため、「小さくコツコツと」が苦手な傾向にあります。

「継続できないのは発達障害のせい」と思ってさしつかえはありません。

今後は「気合い入れて続けよう!」ではなく、「どうしたら自然に続けられるだろう?」と考えるようにしましょう。

精神論を捨て、システムで解決する方法を探そう。

行動を自動化する

習慣を定着させるためには、行動を自動化しましょう。

毎日繰り返し行うことで、それが自然な状態にする。ルーティンですね。

たとえば早起きが苦手な人なら、「起きてすぐオレンジジュースを飲む」をルーティンに入れることで、自然と二度寝は無くなります。

行動を自動化すれば、毎回判断や誘惑に立ち向かうのにエネルギーを使わなくて済むのです。

そもそも誘惑が発生しないシステムを作ろう。

トリガーに注目する

そうは言っても、その「毎日同じことをやる」のが難しいですよね。

そこで、習慣化するときは、「トリガー」に注目しましょう。

トリガーとは、習慣を生み出すきっかけです。

  • 寝る前にスマホを見る→スマホの代わりに読書
  • 仕事帰りにお菓子を買う→サラダチキンを買う
  • 出社後だらだらメールチェック→今日のやることリストを作成

このように、悪い習慣のきっかけになっている行動を、別の行動にすり替えるのです。

最初は難しいですが、トリガーさえなくなれば、悪い習慣は継続できなくなります。

僕も寝る前に2chまとめを見るのがライフワークでしたが、いまではkindleで読書を続けられています。

習慣にはトリガー(きっかけ)がある。

【エッセンシャル思考】発達障害を改善する思考法 まとめ

資料を眺める男

この記事では、「エッセンシャル思考」をもとに、発達障害を改善できる思考法について解説してきました。

最後にもう一度、ポイントをおさらいしましょう!

ポイントのおさらい
  1. 発達障害は仕組みで改善する
  2. 仕事の効率を下げる大きな原因だけ改善
  3. いま現在に集中
  4. 習慣は精神論ではなく仕組みで作る

「エッセンシャル思考」は、余計な判断にエネルギーや時間を使わないことを推奨しています。

ワーキングメモリが小さい発達障害こそ取り入れるべき思考法です。

エッセンシャル思考には、著者が取材した多くのエピソードが載っています。

あまり目にすることのない海外の経営者・ビジネスマンのエピソードが豊富なので、読んでいてとても楽しいですよ!

発達障害者のバイブルとしておすすめします。

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