「発達障害でも幸せになれる!」「発達障害でも自分次第で変えられる!」という意見をよく目にします。
しかしそうした意見は耳ざわりがいいだけで、どうも納得することができません。
発達障害者なら、人並みの幸せを実現させることはほぼ不可能。
幸せを追い求めるよりも、不幸に対処するほうが、はるかに現実的かつ効果的です。
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
- 発達障害でも幸せになりたい
- いつも劣等感を感じている
- 発達障害の人生に絶望している
こんな悩みを解決します!
この記事では、「発達障害が人並みの幸せを諦めるべき理由」について解説。
読み終われば、これ以上不幸にならないための方法を実践できるようになりますよ!
筆者の発達障害プロフィール
- 手帳3級のADHD
- 体感ではASDの傾向が強い
- 社会人で発達障害が発覚
- 定型(健常者)にギリ擬態できる
- 一人暮らしは可能
それでは、さっそく見ていきましょう!
目次
発達障害が人並みの幸せを諦めるべき理由


発達障害が人並みの幸せを諦めるべき理由は、次の5つです。
- 人並みに仕事ができないから
- 人並みの収入がないから
- 人並みのコミュ力がないから
- 人並みの自己肯定感がないから
- 人並みに休めないから
今さら解説する必要もないですが、改めて見ていきましょう。
①人並みに仕事ができないから
発達障害は人並みに仕事ができません。
たとえばADHDの僕は、ざっとこれだけの無能ポイントがあります。
- 何度確認してもミス
- 短期記憶が弱い
- 優先順位がつけられない
- 急な変更に対応できない
- 耳からの情報を理解できない
- 失言が多い
- 集中が続かない
- 言葉の裏の意味がわからない
- 報連相ができない
僕なりにがんばって対策したんです。
指示を受けたらその場で何回も確認し、メモは最大5つの媒体に残しました。
上司の協力のもと、スケジュール確認や優先順位付けを一緒にしてもらいました。
それでもダメだったんです。
一時的な改善はありましたが、少しイレギュラーがあればたちまち対応できなくなります。
努力しても結局ミスして怒られて、心は完全に折れてしまいました。
でもそれは、仕事の難易度が高いからではありません。
同期や後輩は難なくこなしており、僕は仕事量も極限まで減らしてもらっていたんです。
みじめでした。
大学の同級生は、みんな大手企業や地銀・市役所で問題なく働けています。
学歴は同じなのに、僕だけが限りなく低い次元で苦しんでいるんです。
1日の3分の1は仕事です。
そしてこれがあと40年以上続くんです。
こんな地獄の中で生きていて、幸せなんて考えられるはずがありません。
仕事ができなければ、毎日が地獄
②人並みの収入がないから
人並みに仕事ができないということは、人並みの収入がないということです。
多くの発達障害は、「クローズ就労で地獄を生きる」か、「オープン就労で買いたたかれる」かの二択です。
もし一般雇用をドロップアウトすれば、たいていは障害者雇用か非正規雇用が待っています。
ちなみに障害者雇用の場合、正社員の割合は21.7%。
平均賃金は、フルタイム労働者でも16.4万円と、低水準であることが分かります。
一般雇用を維持できなければ、貧困ルートが待っているということですね。
もちろん、フリーランスや起業で成功する人もいるでしょうが、そんな才能とバイタリティにあふれた発達障害はごく一部。
我々は、ビルゲイツにはなれないんです。
レールを外れたら貧困生活が待っている
③人並みのコミュ力がないから
発達障害の多くは、人並みのコミュ力がありません。
仕事ができるできない以前に、人間関係の悩みやトラブルで退職する人も多いです。
発達障害がコミュ障である主な原因はこちら。
- 言葉の裏の意味が理解できない
- 失言が多い
- 人の気持ちがわからない
- 衝動的に発言してしまう
- 聴覚情報処理障害(APD)
- 会話のテンポについていけない
- 空気が読めない
これだけコミュ障の条件が揃っていたら、仕事でもプライベートでも支障をきたしますよね。
そして発達障害の男だと、恋愛は絶望的です。
トーク力はない、仕事はできない、収入は低い、女性をリードできないなどなど…。
「発達障害でも幸せになれますけど?」と言っているのは、たいてい彼氏or夫がいる女性です。
俗にいう「理解のある彼君」ってやつですね。
多くの発達障害男性は、プライベートでも救いがないということを覚えておいてください。
コミュ障ゆえに仕事もプライベートも壊滅的
④人並みの自己肯定感がないから
発達障害者には人並みの自己肯定感がありません。
理由はいわずもがなですね。
自己肯定感が低いと、いいこと全然ないんですよね。
- 過去の失敗がトラウマに
- 嫉妬や劣等感で消耗する
- 挑戦する気力がなくなる
- ネガティブ思考
- 感謝やアドバイスを素直に受け取れない
現状をよくするためには行動するしかないのに、その気力をそがれてしまう。
そうして泥沼から抜け出すことができずに、地獄が続いてゆく。
まさに悪循環です。
でも簡単には変えられないですよね。
だって今まで何百回も何千回も失敗してきて、そのたびに怒られて否定され続けてきたんですよ?
「どうせ無理」「自分は無能だから」と諦めるほうが自然。
発達障害は、不幸になるべくして不幸になっているんです。
失敗の積み重ねが自分の首をしめていく
⑤人並みに休めないから
発達障害者は人並みに休めません。
なぜなら、休日は疲労回復と仕事におびえることで忙しいからです。
発達障害は定型の何十倍も疲れます。
向いてない仕事をして、向いていない人付き合いをして、8時間ずっと緊張と疲労の連続。
家にたどり着いたら寝ることしかできません。
土日休みは、平日にたまった疲れを消化するだけで終わります。
気分転換に外出してリフレッシュする気力も沸いてきません。
そして、週明けの出社におびえるんです。
「また月曜から怒られるんだろうな」「あの業務まだ終わってないな」…というように、憂鬱な気分で過ごすことになります。
つまり発達障害は、生きているかぎり「緊張・不安・恐怖・悲しみ・絶望」に苛まれ続けるんです。
発達障害は常に精神的ダメージを受けている
発達障害が不幸を回避する方法


発達障害が不幸を回避する方法は、次の3つです。
- 他人との交流を断つ
- 自分ができる仕事をやる
- 固定費を下げる
発達障害が人並みの幸せをつかむことはできません。
そんなものはおとぎ話です。
野球少年がイチローに嫉妬しますか?容姿に恵まれない女性が石原さとみに嫉妬しますか?
答えはNoです。
憧れはしても、嫉妬することはありません。
なぜなら、彼らは完全に別次元の存在だと認識しているからですね。
だとしたら、なぜ定型の友人や同僚に嫉妬や劣等感を抱くんですか?
発達障害にとって定型は別次元の存在なのに、嫉妬するなんておこがましいですよね。
友人や同僚は距離が近いため、つい勘違いしてしまいがちです。
「発達障害は定型にはなれない」
まずはこれを徹底して叩き込むことで、幸せになれなくても不幸は回避することができます。
①他人との交流を断つ
まずは他人との交流を断ってください。
僕はこれ以上不幸にならないために、家族や一部を除く友人とは一切連絡を取っていません。
SNSも徹底的にミュートして、視界にも入らないようにしています。
家族や友人は価値観を押し付けてきますし、たいてい自分よりいい人生を送っているので嫉妬してしまいます。
「アイツはいいやつだから」「昔からの付き合いだから」といった理由は関係ありません。
心がわずかでもザワつくなら、その直感に従って自分の世界から排除するべきです。
視野が狭くていいんです。
井の中の蛙でいいんです。
世間を知らなくていいんです。
自分の世界に不都合なものは徹底的に排除する。
そこから不幸じゃない人生が始まります。
人間関係を整理し、感情の動きを最小限にする
②自分ができる仕事をやる
発達障害なら、自分ができる仕事を選びましょう。
給料とか正社員とか世間体とか、そんなこと言ってる場合じゃないです。
最も優先するべきは、過度なストレスなく継続的に働けること。
これがなければ生活の土台を作れませんし、なにより生きていくのが辛くなります。
一般雇用や正社員にしがみつくのは、定型の価値観に洗脳されているからです。
不安定でも、収入が低くても、世間体が悪くても、自分の心に嘘をついてはいけません。
ミスマッチな職業選択は不幸に直結します。
仕事内容だけで、純粋な職業選択をする
③固定費を下げる
ただ、自分ができる仕事を選びたくても、収入が低すぎれば生活すらできません。
そこで、徹底的に固定費を下げる努力をしましょう。
たとえば、僕が実践しているのはこんな感じです。
- 通信費・電力会社の見直し
- 服や時計はメルカリにぶち込む
- 自炊メインで食費は月2万円
- エクセルで簡単な家計簿作成
(詳しくは、給料が低い発達障害でも生きる方法【4選】に書いています)
僕は一人暮らしですが、抵抗がなければ実家暮らしにするのもいいですね。
固定費が小さくなれば、それだけ職業選択の幅が広がります。
適切な職業選択や人間関係の断捨離でストレスを減らせば、自然とお金も使わなくなってきますよ。
「生活水準を下げる=不幸」は、定型の価値観による図式です。
低賃金or短時間労働でも、自分に合っている仕事をするのがベスト。
それならば、職業選択のために生活のリソースを全てぶっ込むのは、正しい判断です。
自分に合った働き方を叶えるために節約する
発達障害が人並みの幸せを諦めるべき理由 まとめ

この記事では、「発達障害が人並みの幸せを諦めるべき理由」について解説してきました。
もう一度ポイントをおさらいします。
- 発達障害は定型のようになれない
- まずストレス源(仕事・人)を改善する
- 個の生き方に焦点を当てる
発達障害はしょせん発達障害。
どれだけ定型に憧れても、同じように生きることができるのは、ほんの一握りだけです。
叶わない夢を掲げて死ぬまで絶望するよりも、目の前の現実から地道に不幸を排除していくほうが、はるかに生産的です。
幸せを求めるのではなく、まずは不幸を回避する。
いつか自分なりの幸せが見つかるにしても、不幸な状態でいたらチャンスはつかめません。
甘い夢にすがるよりも、現実の地獄へ立ち向かっていきましょう。
私は広汎性発達障害だけど、人と関わりたいしなんでも人並みになりたいけど諦めるのはいいとしてコミュ障だから1人孤独で生きた方がいいって事ですか?
自分の価値観だけど私なら死んだ方がマシだと思うんですけど
生きてる意味ないし。
他人と関わって劣等感や惨めさを感じるくらいなら、孤独に生きたほうがストレスはないかと。
ですが反面、人は他者との関わりの中で幸福を感じるので、「幸福にも不幸にもなれない人生」を歩むことになります。
生きてる意味はないかもしれませんが、「死んだ方がマシ」かどうかは各々の許容度によるのではないでしょうか。
発達障害です。発達障害でも幸せになれるとか抜かしてるアホに見せてやりたい記事でした、紛れもない現実が書かれています。
女性は他人に受け入れられやすいので、発達障害でも幸せになれると勘違いしてしまうんでしょうね。