みなさんは「きょうだい児」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
きょうだい児とは、障害者の兄弟姉妹のことを指します。
僕の1歳年下の弟は「最重度の知的障害者」なので、僕はきょうだい児ということになります。
そもそも「きょうだい児」ってネーミングセンスないと思うんですよね。
何歳になっても「児」だし、障害児と語感が一緒なので、自分も障害者にされているようで不愉快です(僕も発達障害なんですが)。
この記事では、きょうだい児である筆者がきれいごとなしで本音を語ります。
Twitterとか知恵袋を見た感じ、多くのきょうだい児は兄弟や親を憎んでいますね。
僕も例外ではありません。
あまり表立って言えることでもないので、この機会に本音を書いていきたいと思います。
筆者の発達障害プロフィール
- 手帳3級のADHD
- 体感ではASDの傾向が強い
- 社会人で発達障害が発覚
- 定型(健常者)にギリ擬態できる
- 一人暮らしは可能
これだけ障害者を嫌っておいて、「自分も障害者でした」っていうクソみたいなオチなんですけどね。
それでは、見ていきましょう。
目次
きょうだい児の本音

きょうだい児について僕の本音は、以下のとおりです。
- 障害者には関わりたくない
- 兄弟の面倒は死んでも見たくない
- 「結婚」と「幸せ」が結びつかない
- 兄弟の存在を隠すのが面倒
- 親の教育が気持ち悪い
基本的には弟や親への誹謗中傷です。
親は手前が産んだ子供なので責任を取る義務がありますが、兄弟からしたらたまったものじゃないですね。
①障害者には関わりたくない
「いやお前もお荷物発達障害やんけ」というブーメランは一旦スルーします。
18歳まで弟と同じ屋根の下で暮らしてきましたが、ストレスしかありませんでした。
- 常に奇声を発している
- 童謡の1フレーズを永遠にリピートして流す
- 食べ方が汚くてクチャラー
- リビングで排泄の処理
- よく自慰行為をしている
- シンプルにデブなのが不愉快
人間の醜いところを全て凝縮したような存在です。
こんなの何年間も毎日暮らしていたら、そりゃ障害者嫌いにもなります。
障害者の家族には3パターンあると考えています。
- 障害児は天使ちゃん。障害の全てを受け入れ、それを周りにも強要する偽善ファシスト。人格が歪んでいる。
- 障害者もその家族も憎い。自分を不幸・不快にさせる存在として敵対視しているレイシスト。人格が歪んでいる。
- 障害者なんて知らないし自分には関係ない。面倒ごとを避けるためなら絶縁すらいとわないリアリスト。人格が歪んでいる。
僕は①→②→③と歩んできましたが、最終的には②か③に落ち着く人が多いのではないでしょうか。
何年間もかけて障害者や親に苦しめられてきたので、これ以上関わる気になれないのです。
実情を知らない「脳内お花畑な健常者育ち」とも関わりたくないですね。障害者の次に不愉快です。
②弟の面倒は死んでも見たくない
きょうだい児の悩みのタネのひとつは、「親の死後」です。
親が生きているうちは「死ぬまで面倒見とけや」で済みますが、死んでしまってはどうしようもありません。
世の中には障害者の兄(姉)の世話係として作られたきょうだい児もいるそうで、とても悲惨です。
親や親戚、世間の人は「兄弟なんだから助け合って」みたいなことを言いますが、僕は死んでも弟の面倒は見ません。
安全なところからしか物を言わない外野の声は、一切聞かないようにしています。
障害者に人生を壊されることはあっても、障害者とともに生きて幸せになることはありません。
僕は親のことを「倫理と道徳観をたてに子供の人生を破壊する悪魔」と考えています。
それくらいの気持ちがなければ、きょうだい児は不幸になってしまいます。
親の死後は、障害者の成年後見人となり、施設にぶち込んでおくのが安パイらしい。年に一回の書類手続きで済むなら十分。
③「結婚」と「幸せ」が結びつかない
きょうだい児のもうひとつの大きな問題は、「結婚」です。
身内に障害者がいると、パートナーやその家族は警戒します。
実際に、「きょうだい児だから」という理由で交際破棄された人もいるそうで、とても悲しいです。
ですが、僕の場合はその心配はありません。
- 「結婚」と「幸せ」が結びつかない
- 発達障害の男はたいてい結婚できない
- 絶縁できる体制は整えている
そもそも結婚したいという欲がありません。
家族を持てば必ずしも幸せになれるわけではない、ということを知っているからです。
もし結婚したくなったとしても、子供だけは絶対に作りません。
自分には障害者の血が流れていて、自身も発達障害者です。
精神疾患や知的障害は7,8割の確率で遺伝します。
それがわかっていながら子作りするほど、僕の倫理観は破綻していません。
「結婚=幸せ」とは限らないが、幸せになる手段をひとつ奪われた。
④弟の存在を隠すのが面倒
きょうだい児あるある、兄弟の存在を隠しがち。
学校でも職場でも、家族のことはよく話題になります。
僕は別に弟のことを話したくない訳ではないんですが、相手に気を遣わせそうなので隠しています。
そのため、当たり障りのないテンプレを用意しています。
- 地元の工場で働いている
- 連絡は全然取らない
- 仲良くはないが悪くもない
これが長年実績を積み上げてきた、僕のテンプレです。隙がなくて美しいですね。
本当のことを話せないストレスは全然ありませんが、いまだに他人の兄弟はうらやましいです。
仲がいい兄弟はもちろん、「兄弟仲悪い」と言いながら日常会話できているエセ不仲も、メンタルを削ってきます。
ペットを飼ったことのない人が、「犬を家族として扱う感覚がわからない」と言いますよね。
僕もそんな感じで、「弟を家族として扱う感覚が分からない」です。
一人っ子と障害者介護のデメリットを押し付けられたのが、きょうだい児。
⑤親の教育が気持ち悪い
僕の親は偽善者です。
というより、「偽善者にならざるを得なかったかわいそうな人たち」だと思います。
僕のように、安全なところから文句を垂れるわけにはいかないですからね。
- 人に優しく親切に
- 正直者は偉い
- 努力は必ず報われる
- いい大学に行けば幸せになれる
- 社会的弱者には優しくするべき
僕の親は障害者を育てるという現実に打ちひしがれ、耳ざわりの言い考えしか受け入れられなくなってしまっています。
障害者も同じ人間、むしろ障害者こそ心がきれい、障害者を産んだことで本当に大切なものに気付くことができた。
そうやって精神が歪んでしまい、当時健常者と思われていた僕に、偽善的な人格教育を施したのではないかと思います。
おかげで他人から搾取される損な性格になりました。
誠実な人よりも、自分本位な人な方が得をするし、幸せな選択ができます。
発達障害ゆえの無能さとも相まって、典型的な弱者になりました。
また、「お前のため」と言いながら世間体ばかり気にする親に振り回され、自分のやりたいことすら分からなくなっています。
26歳になってやっと、「自分で人生を選んでいる」という実感を得られるようになりました。
脳内お花畑系思考に毒された親の教育からは、生きるということを学べない。
きょうだい児のアクションプラン

ここからは、きょうだい児のアクションプランについて解説していきます。
- 家族から逃げる
- 精神障害の検査を受ける
- 植え付けられた価値観を捨てる
きょうだい児が幸せになるためには、家族との関係や植え付けられた価値観をすべて切り離す必要があります。
そして、精神障害者・知的障害者の兄弟であるという事は、自分も障害者の遺伝子をもらっている可能性が大きい。
もしバイトや仕事が人並みにできないのであれば、心療内科に駆け込みましょう。
①家族から逃げる
これは言うまでもありませんね。
もし実家通いで働いているなら、引っ越し代のために貯金を始めるべきです。
色々な事情で、一人暮らしが難しい人もいるでしょうが、家族から離れない事には絶対に幸せにはなれません。
毎日ストレスにさらされて、家族と過ごす歪んだ日常生活の先に待っているのは地獄です。
家賃補助がある会社、住み込みの期間工、遠い地方のボロアパートなど、選択肢はあります。
家族は自分の人生を食いつぶす存在だと、深く心に刻みましょう。
家族や兄弟と助け合う(搾取される)必要はない、常識を疑おう。
②精神障害の検査を受ける
精神疾患・知的障害は7,8割が遺伝です。
自分の兄弟が障害者なら、自身も障害者である可能性が高い。
僕も御多分に漏れず、軽度の発達障害者です。
今まで世間体を気にする親に勉強ばかりさせられ、社会人になったら今度は無能扱いされる。
この落差は相当ショックで、恥ずかしながらこのとき初めて「親の言いなりに生きていても幸せにはなれない」と気が付きました。
そして、あれだけ憎んでいた障害者に自分自身がなっていた。笑えますね。
障害者の兄弟という荷物から解放されると思っていましたが、障害者の呪いは死ぬまで消えないようです。
もし自分が人並み以下だと気付いたら、すぐに心療内科へ行きましょう。
精神を病んで手遅れになる前に、早めの対策が必要です。
関連記事:【大人の発達障害】診断を受ける流れ 時間や手間はかかる?
障害に振り回される人生であることを受け入れ、生きていかなければならばならない。
③植え付けられた価値観を捨てる
障害者がいる日常って、はっきり言って異常です。
そんな空間で何十年も生きてきたら、価値観はぶっ壊れて当然です。
親に洗脳され、障害者からのストレスで感覚は麻痺し、消耗するだけの精神状態がプリセットされている可能性か高い。
前向きに生きている友人やYouTuber、本などでいろいろな価値観を吸収しましょう。
理不尽な人生から抜け出す勇気と知恵を与えてくれるはずです。
障害者の輪の中で生きている限り、いつまでも不幸から抜け出せない。
きょうだい児の本音 まとめ

この記事では、「きょうだい児の本音」について解説してきました。
もう一度、ポイントをおさらいしましょう。
- 障害者が嫌い
- 兄弟の面倒は見ない
- 家族と絶縁したい
- 逃げるのが大事
- 自分も障害者かも
「僕が弟を守るんだ!」という優等生な子供は、単に親や世間から洗脳されているだけです。
昔の僕がそうでしたからね。
実際のところ、「きょうだい児だから」という理由だけで人生丸ごと台無しにされることはありません。
問題は、不幸を呼ぶメンタリティ・思考回路が刻み込まれている事です。
そこから抜け出せないと、いつまでもきょうだい児にとらわれた人生になってしまいます。
そんな無駄な時間を過ごさないよう、本当の自分と向き合ってみてください。