書評

【発達障害に役立つ本】幸福の資本論(橘玲)【凡人でも幸福に生きる方法】

幸福の資本論

今回は、発達障害の生き方の参考になる本を紹介します。

それがこちら、橘玲(たちばなあきら)さんの幸福の資本論です。


金融知識や行動科学の観点から、幸福の定義や戦略を解説しています。

僕は発達障害でいつも劣等感に悩まされていて、ついに新卒で入社した会社も退職しました。

「自分はもう幸せになれない」

そう思いながらも、改めて「幸せとは何か?」について考えていた時、この本に出合いました。

これは一部の意識が高いビジネスマンではなく、むしろ発達障害にこそ参考になる本です。

これからの生き方や考え方の指針が決まり、とても救われました。

発達障害でも幸福になれる可能性がある、これがわかっただけでも大収穫です。

こんな人におすすめの本!

  • 発達障害でも生きていけるか不安
  • 発達障害でも幸せになりたい
  • 新しい働き方や人間関係の価値観を知りたい

”資本論”というと難しそうな響きですが、専門的な内容や用語は多くありません。

難しく感じた箇所は、読み飛ばしてしまっても大丈夫。

むしろ研究結果やエピソードは興味深いものばかりで、とても読みやすかったです。

それでは、解説していきます!

目次

「幸福の資本論」の概要

お札
疲れたサラリーマン
疲れたサラリーマン
幸福な人生に必要な3つの要素について書かれているよ。

橘氏は、幸福な人生には3つのインフラが必要だと述べています。

幸福の3つのインフラ
  1. 金融資産
  2. 人的資本
  3. 社会資本

これらは幸福な人生の土台です。

土台をきちんと整備し、それから自由な選択をすることで、幸福な人生を送ることができます。

金融資産

金融資産とは、収入や貯金、投資の配当利回りなどの財産です。

金銭的な不安がなくなる、つまり経済的独立に成功すれば、自由な人生を歩めます。

  • 会社の収入に依存し、嫌々働くサラリーマン
  • 夫の稼ぎに依存しているため、主張できない専業主婦
  • 学費を出してもらっており、進路に口出しされる学生

まさに生殺与奪の権を他人に握られているので、自分の意思など通せません。

経済的独立をしていれば、仕事や人間関係を自由に選ぶことができるので、ストレスが減ります。

”お金のために仕方なく”は不幸の原因。

人的資本

人的資本とは、働いてお金を稼ぐ力です。

サラリーマンは、会社に”自分”という人的資本(労働力)と投資し、そのリターンとして給料を得ています。

現代では、昔のように「大手企業に入社すれば定年まで人生安泰」ではなくなりました。

そこで、会社組織から飛び出して個人のスキルで稼いでいく、つまりリーランスが最適な戦略になります。

より専門的で、より柔軟なスキルを身につけることで、どこでだって、何歳までだって稼ぐことができるのです。

会社に依存せず”個人で稼ぐ力”を身につけよう。

社会資本

社会資本とは、友達や家族とのつながりのことです。

「貯金が尽きたら実家に帰る」という選択肢があるのは、”親”という社会資本があるから。

低収入のマイルドヤンキーが幸せなのは、学生時代の同級生と楽しくつるんでいて、収入格差も感じないから。

直接的なお金に変換されなくても、人とのつながりは資本です。

ただし、ニートは親から勘当されれば、マイルドヤンキーは仲間外れにされれば、途端に貧困になりますよね。

何かのきっかけで簡単に失われてしまうので、依存はできません。

人間関係も”資本”として考えられる。

発達障害に役立つポイント

お金とペン
疲れたサラリーマン
疲れたサラリーマン
この本は定型よりも発達障害の方が役立つよ。

「幸福の資本論」が発達障害に役立つポイントは、次の3つです。

発達障害に役立つポイント
  1. 発達障害に従って生きればいい
  2. 人間関係のミニマム化に向いている
  3. ネガティブな人は幸せを感じやすい

この本は、もちろん発達障害者のことなど想定していません。

ですが発達障害者こそ、幸福の3つのライフラインを揃えるのに向いています。

発達障害に従って生きればいい

発達障害者として社会に出て、わかったことは何でしょうか。

  1. 会社員に向いていない
  2. 良好な人間関係が築けない
  3. 普通の仕事ができない

発達障害が「人並みの幸せは諦めろ」と言われるのは、人並みに環境へ適応できないからです。

「普通に会社で働きたい」「結婚して幸せになりたい」と強く願う人ほど、絶望して立ち上がれなくなります。

しかし裏返して考えれば、案外悪い事ばかりではありません。

  1. 会社員に向いていない→フリーランスになるしかない
  2. 良好な人間関係が築けない→割り切って人間関係をリセットできる
  3. 普通の仕事ができない→他の人とは違う仕事や働き方をするしかない

定型の不幸は、発達障害からしたら恵まれています。

だからこそ、現状維持ばかりで変わることができません。

しかし発達障害は何もかも壊滅的なので、今さら人並みの人生に未練などない。

つまり、発達障害は人生を変えるハードルが圧倒的に低いのです。

変化に対するマインドセットは、発達障害の方が優れている。

人間関係のミニマム化に向いている

先ほども述べましたが、発達障害は良好な人間関係が築けません。

発達障害は孤独。言い換えれば、自分を縛るネットワークが構築されていません。

人が変わろうとするとき、友人や同僚、家族の存在が足かせになります。

身近な人間から「普通がいい」「どうせ失敗するからやめとけ」と言われれば、モチベーションは保てません。

その点、発達障害者には味方がいないので自由。

さらに、ネットやSNSなどオンラインだけの繋がりに寂しさを感じるどころか、むしろそれが心地よくて幸せです。

不要な人間関係のミニマム化には、発達障害ほど向いている人種はありません。

人間関係の悩みは、適性の証。

ネガティブな人は幸せを感じやすい

これはおまけですが、日本人に多いネガティブな人は、実は幸せを感じやすいんです。

もっとわかりやすく言うと、不幸を感じやすいけど、幸せも感じやすい。

発達障害だと、HSPを併発している人が多いですよね。

HSPも、ネガティブ症候群ではなく感じやすい症候群です。

不幸な環境にいる時の落ちこみはひどいですが、逆に幸福な環境だと、人一倍幸せを感じます。

つまり、現状の地獄を抜け出すことができれば、定型以上の幸福感を得られる可能性があります。

不幸と幸福の振れ幅が大きいので、これを活かそう。


今後のアクションプラン

ギャンブル
疲れたサラリーマン
疲れたサラリーマン
でも発達障害だし、どうせいつも通り失敗するよ…。

「幸福の資本論」での学びを活かすアクションプランは、次の3つです。

今後のアクションプラン
  1. 貯金・節約
  2. 転職活動
  3. 副業でスキルアップ

金融資産、人的資本、社会資本を整えるには、リーランスになるのが最も適しています。

発達障害の特性だけで考えれば、会社員は無理なのでフリーランスになるしかない。

そこで、発達障害がフリーランスで働くまでの方法を解説します。

貯金・節約

まずは、貯金・節約を頑張りましょう。

貯金・節約は、収入が不安定なフリーランスに必須のスキルです。

僕は会社を辞めてフリーランスになってから、以下の出費を見直しました。

通信費(月9千円節約)ドコモ携帯+Wifiルーター⇒楽天モバイル(PCはテザリング)
食費(月2万円節約)外食メイン⇒自炊メイン
楽天カードで支払い貯まったポイントで日用品や携帯代を支払い。
家計簿の見える化エクセルで管理。目に入るだけでも意識が変わる。
財布・時計・服をメルカリで処分(10万円売上)余計な出費を生み出すので、見栄で買った物は処分。

出費を減らすのは、売上を増やすのと同じこと。

生活コストが下がれば、フリーランスになるハードルも下がります。

会社を辞められる可能性を上げよう。

転職活動

フリーランスのスキルアップのため、平日2時間、休日は10時間くらいの活動が必要です。

「今の会社残業ばっかだし、仕事疲れで副業どころじゃない!

「土日は平日の疲れで何もやる気にならないよ…

そう思いますよね。

確かに、僕も会社では仕事ができなくて毎日残業していました。

たまに早く帰っても、明日が怖くて何もやる気にならなかったです。

その場合は、まず障害者雇用に切り替えましょう。

仕事のハードルも下がって、定時退社しやすくなります。

どこかでリスクを冒さないと、ジリ貧で苦しみ続けることになりますよ!

関連記事:【障害者雇用】 発達障害の就職・転職支援サービス【おすすめ8選】

副業ありきの転職を検討しよう。

副業でスキルアップ

会社員の安全な立場から副業すれば、低リスクで安心できます。

フリーランスにも色々ありますが、僕もやっているWebライターは参入障壁が低いです。

しかしその分単価もピンキリで、時給300円労働なんてザラ。

僕の初月売り上げは6万円です。

専業で毎日朝から晩まで働いでこれですよ…。

学習時間があるなら、エンジニアやプログラマーの方が案件の単価は高いです。

とりあえずやってみないと適性はわからないので、どんどん挑戦していきましょう!

どの副業が向いているかは、経験しないとわからない。

幸福の資本論 まとめ

お札とキャッシュカード

この記事では、「幸福の資本論」について解説してきました。

最後にもう一度、ポイントをおさらいします。

ポイントのおさらい
  1. 発達障害のまま生きればいい
  2. 発達障害はフリーランス向き
  3. 定型よりも幸福に近づきやすい

いまどきフリーランスや副業は珍しくありません。

しかし、あなたの周りにそうした人は何人いますか?

20代の若者でも、多くは挑戦が怖くて会社に留まっています。

発達障害だからこそ、普通に生きられないからこそ、リスクを冒して飛び込めるんです。

「幸福の資本論」では、発達障害でも幸福な人生を送れるかもしれないという希望を与えてもらいました。

これからの働き方や時代の変化に関心がある人にも、この本はぜひおすすめです。


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