少し前に発達障害バブルが巻き起こりましたが、今のトレンドはHSP(ハイセンシティブパーソン)。
「中田敦彦のYouTube大学」でも、HSPの書籍が紹介されていましたね。
この内容が面白かったので、紹介されていた本を2冊購入してみました。
すると「あれ?俺もHSPじゃん…」と気付いたんですね。
自分は繊細さんとは程遠いタイプかと思っていました。
しかし主に対人関係で、多くの項目が該当。
そこで「発達障害者はHSPも併発するのでは」と考えました。
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
- HSPと発達障害の似ている点を知りたい
- 発達障害の視点から対策したい
- 発達障害の診断を受けたい
こんな悩みを解決します。
- HSPと発達障害の似ている点
- HSPと発達障害を併発しているケース
- HSPでも発達障害の診断を受けるべき理由
この記事では、「HSPと発達障害の併発」について解説。
読み終えれば、HSPだけでなく発達障害の可能性についても考えられるようになります。
筆者の発達障害プロフィール
- 手帳3級のADHD
- 体感ではASDの傾向が強い
- 社会人で発達障害が発覚
- 定型(健常者)にギリ擬態できる
- 一人暮らしは可能
僕は実際にADHDで障害者手帳を取得しています。
傾向が似ている人は、ぜひ発達障害の診断も検討してみてください。
目次
HSPと発達障害の似ている点


HSPと発達障害の似ている点は、以下のとおりです。
- 人といると疲れる
- 完璧なプランを作ってから行動
- マルチタスクができない
- 感覚過敏
- 嘘をつくのがストレス
HSPと発達障害では、根本的な感覚や思考回路が違います。
HSPの項目には当てはまっていても、「分析してみたら発達障害だった」という可能性も。
自分がHSPだと思っている人は、発達障害の方面からもう一度振り返ってみてください。
人といると疲れる
HSPも発達障害も、人といると疲れます。
- 定型への擬態
- 相手の感情を読み取る
- 傷つきやすくストレスに弱い
発達障害はミスが常人の何倍も多いです。
そのため、怒られることに敏感になってしまうのです。
加えて、発達障害者は浮かないよう”普通の人”のように振舞います。
HSPは「相手の情報を読み取りすぎて、空気を読んでしまう」という特徴があります。
一方で発達障害は、怒られるトラウマから、マイナス方面の感情に特化して敏感になっています。
HSPは常時、発達障害は危機的状況で、対人での視覚情報がさえる。
完璧なプランを作ってから行動
会社員をしていると、効率のいい仕事が求められます。
必要なのはスピード感。
「まず手を動かす」「すぐ人に聞く・頼る」「ある程度できたら一旦確認してもらう」
“とりあえず”の動き出しが重要です。
しかし、HSPや発達障害(特にASD)は、事前に完璧なプランを作りがち。
「この資料については○○さんに聞いて、でもその前に企画内容をまとめないと相手に迷惑だよな…。そうなったら△△課長に確認してからの方がいいか?」
というように、各方面に配慮することで、事前準備に時間をかけすぎてしまいます。
手を付けてみないとわからないこともあるので、かえって非効率。
マルチタスクができない
一度に様々な業務を頼まれる、つまりマルチタスクの状態に向いていません。
HSPは敏感でマイペース。
ひとつのことにじっくりと向き合い、丁寧に感じ取ることが得意です。
そのため、複数の事を効率よく、時間に追われながらこなしていくスタイルとは相性が悪い。
加えて発達障害の場合は、ワーキングメモリが小さいという問題があります。
記憶・動作を処理する脳のスペックが足りていないので、そもそもマルチタスクができないのです。
マルチタスクができないのはどちらが原因か見極めよう。
感覚過敏
HSPも発達障害(ASD)も、感覚過敏の症状が有名です。
HSPの場合は、「より徹底的に深く情報処理する」タイプの感覚過敏。
ASDの場合は、「知覚刺激の調整機能が壊れている」タイプの感覚過敏。
僕は、味・室温・見た目の変化には気付きませんが、雑音にとてもイライラします。
こうした感覚の受け取り方が極端なタイプは、ASD傾向があると言えるでしょう。
五感の感じ方にムラがある人は要チェック。
嘘をつくのがストレス
自分に利益がある場合でも、嘘をつくのがストレスになります。
- 基本的に善良
- 他者貢献が好き
- 相手の喜びを自分事のように感じる
- 自己肯定感が低い
- 利益よりも自己満足を大切にする
HSPは数字で人と競うのが好きではありません。
自分がいいと思った物を勧める。
相手に心から納得してもらう。
こうした心の違和感がないやりとりを好みます。
発達障害も似ていますが、「嘘をつく余裕がない、精神的に未熟」といった側面があるのが特徴です。
純粋であることを選んだHSP、純粋にならざるをえないASD
HSPと発達障害を併発しているケース


HSPと発達障害を併発している例として、筆者と元同僚のケースを紹介します。
僕は発達障害の診断済みですが、HSPについて医療機関に相談したことはありません。
HSPの書籍を2冊読んだところ、当てはまる箇所が多かったと感じました。
元同僚は、ネットの診断でHSPと判断しており、医療機関への相談はありません。
ただ、発達障害の僕からしたら、元同僚はHSPというより発達障害に見えます。
ふたりとも併発しているとは正確に言えないかもしれません。
しかし、HSPも発達障害も大多数の人が未診断でしょうから、多少根拠が薄くてもOK理論でいきます。
ADHDの筆者(診断済み)
ADHD診断済み(ASD傾向あり)、HSP疑惑ありの僕の特徴です。
- 相手の一挙手一投足から、意図が読み取れる(HSP)
- 意図が読み取れても適切な行動がわからない(ADHD)
- 自分に余裕がないと読み取れない(ADHD)
- 芸術に無関心、他人はどうでもいい(ADHD)
- 興味がある人や作品は深く受け止める(HSP)
- 人に頼れない(HSP)
- 人の感情に左右される(HSP)
- 場の空気感に影響される(HSP)
- 五感の一部が敏感(ASD)
- 相手の都合基準で行動を決める(HSP)
主に対人関係で、HSPの症状が見られると感じています。
僕は幼少の頃から、親の顔色を伺って生きてきました。
自分の人生を生きているようで、親の都合のいい人生を生きてきました。
HSPは先天性ですが、こうした環境要因も影響しているのではないかと思います。
対人関係という一部分に特化したHSP
HSPの元同僚(ネット診断)
ネット診断でHSPを自覚している、元同僚の特徴です。
- 嫌われたくない人には聞き上手(HSP)
- 人に頼れない(HSP)
- 人の感情に左右される(HSP)
- 場の空気感に影響される(HSP)
- 五感の一部が敏感(ASD)
- マルチタスクができない(HSP/ADHD)
- 衝動的によく喋る(ADHD)
- 先延ばし癖がある(ADHD)
- よく居眠りする(ADHD)
- マルチタスクができない(ADHD)
これは僕の主観でしかないので、偏った見方をしている可能性は大です。
元同僚は自分をHSPと思っていますが、僕は発達障害も大いに疑っています。
彼女は「人に気を遣って疲れる」「相手が何を思っているのかわかる」とよく言っています。
しかし、しょっちゅう空気は読めていませんし、僕に対する感情読み取りテストはだいたい外しています。
HSPという型に無理やり自分を当てはめて、それを正当化している感じがするんです。
彼女なりに悩んでいる話は聞くのですが、それはHSPに加えて発達障害によるものが大きいと思っています。
HSPの自己診断だけでは怪しい
HSPでも発達障害の診断を受けるべき理由


HSPでも発達障害の診断を受けるべき理由は、次の3つです。
- 自己診断はあてにならない
- 診断されれば支援の対象になる
- 行動のきっかけになる
HSPと発達障害の症状は似ている部分があります。
「HSPだと思っていたが、実は発達障害だった」というパターンは十分に考えられるでしょう。
可能性の一つを潰しておくという意味で、診断だけでも受けてみるべきです。
自己診断はあてにならない
HSPの自己診断はあてになりません。
- 典型例しかのせていない
- 主観的でしかない
- HSP願望に引っ張られる
- 発達障害の可能性に気付けない
元同僚の例でも分かるように、見る人が見れば明らかな発達障害なのに、本人は自覚ゼロ。
どうしてもバイアスがかかるので、本当に参考でしかありません。
HSPだろうが発達障害だろうが、そもそも専門医に相談するべきなのです。
自己診断は何の解決にもならない
診断されれば支援の対象になる
HSPは病名ではなくて性格なので、診断されたとしても支援はありません。
しかし発達障害は精神疾患なので、障害者手帳や税金の優遇など、公的な支援が多くあります。
それに、具体的な対策もできるようになるので、発達障害と診断されれば大当たり。
宝くじだと思って、発達障害として診断を受ける価値はおおいにあります。
関連記事:【大人の発達障害】診断を受ける流れ 時間や手間はかかる?
社会的な支援があるのとないのとでは大違い
行動のきっかけになる
HSPを自己診断だけで判断している人は、行動できない人です。
悩んでいるのに具体的な解決方法を模索しない。
それでは永久に悩みは解決しません。
HSPが病気扱いでない以上、発達障害(精神疾患)での支援を期待するのが効率的です。
もしそれで発達障害にかすりもしなかったとしても、「診断を受けた」という事実は解決の第一歩になります。
「今度はHSP専門医に相談する」「本を買って実践する」という行動につながるのです。
行動するなら、効果的なものから。
HSPと発達障害の併発 まとめ

この記事では、「HSPと発達障害の併発」について解説してきました。
それでは最後に、この記事のポイントをおさらいしましょう。
- HSPと発達障害は似ている
- 発達障害の可能性は検討すべき
- まずは専門医の診断を
HSPと発達障害の症状は似ています。
根本的な原因は違いますが、何も考えずに自己診断を受けることで、発達障害の可能性を見逃すことになります。
社会的な支援があるという点で、HSPよりも発達障害と診断された方が得です。
HSPで本気で悩んでいるなら、まずは行動しましょう。