僕は学生時代まで自分を定型と思い込んでいました。
正確に言えば、仕事に支障をきたすタイプの障害特性だったため、社会人で発達障害の診断を受けました。
同級生が当たり前のように大企業や役所で働くなか、僕はゆるい中小企業なのに挫折。
営業、事務作業、資料作成、クライアント対応、どれをとっても人並み以下で、入社3年目なのに新卒よりも使えないと言われてきました。
毎日自殺することばかり考えるようになり、耐えきれずに退職、その後は失業手当でニートになりました。
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
- 会社を辞めたらどうなるのか不安
- 会社を辞めたら人生転落する気がする
- 今の環境はつらいけど逃げ出す勇気がない
この記事では、「発達障害者が会社を辞めて思ったこと」について解説。
最後まで読むことで、発達障害に耐えきれなくて退職した男の末路を知ることができ、あなたの今後の選択の参考になります。
実際のところ、正社員にこだわりたいなら、今の会社に文字通り命がけでしがみつくか、障害者雇用なりで別の会社に転職するべきです。
しかしいざ会社を辞めてみると、普通で人並みの幸せルートがどうでもよくなります。
筆者の発達障害プロフィール
- 手帳3級のADHD
- ASD・APD傾向あり
- 社会人で発達障害が発覚
- 定型(健常者)にギリ擬態できる
- 一人暮らしは可能レベル
意識高くても発達障害を呪っても疲れるだけなので、個人的には色々諦めることが幸せへの第一歩だと思います。
それでは、さっそく見ていきましょう。
目次
発達障害者が会社を辞めて思ったこと① 定型と同じ人生は無理

根本的に人種が違うんだね。
そつなく学校を卒業してそつなく働くのは相当ハードルが高いです。
みんな当たり前のようにこなしますが、能力と人間関係に恵まれるのが最低条件。
そして発達障害者の多くはその条件を満たしていません。
最低でも週5で8時間怒られ続ける仕事
発達障害者は、よほど適正か環境に恵まれていなければ、たいていは社会不適合者の烙印を押されます。
人よりも要領と物覚えが悪いので、四六時中上司に怒られるわ、仕事は終わらないわで散々です。
新卒時ならまだ許されますが、2年目以降から風当たりが強くなり始め、後輩に抜かされだすと劣等感で本格的にメンタルが崩壊します。
しかも僕は仕事が遅くてサビ残を月80時間、土日も休日出勤していたので、体力的にもボロボロでした。
定型が文句を言いながらも働けるのは、仕事を進める最低限の能力を備えているからです。
発達障害者が同じ水準で働こうとしたら、時間と体力と精神を犠牲にしなければならないでしょう。
社会で求められる当たり前の水準が高すぎる。
鬱で何をする気にもなれない
筋トレすれば鬱は治るとか言いますが、そもそも鬱になるとトイレにすらなかなか行けなくなります。
前の会社は土日休みでしたが、土日は休日出勤していたか、月曜に怯えながら1日中YouTubeを見ているかのどちらかでした。
どこかへ出かけたり、友達と飲みに行ったりする気力なんてありません。
ましてや、転職のために副業や勉強などできるはずもなく、永久に消耗のループから抜け出せなくなってしまうのです。
趣味や友達でストレス発散できず、有意義な時間の使い方ができない。
結婚はおろか彼女すらできない
発達障害は仕事ができないので金がなく、加えてコミュニケーション能力に難がある場合があります。
となると、発達障害の男性は彼女に傷を癒してもらうことも、ましてや結婚することもできません。
少し性差別的になりますが、発達障害でも女性なら特性が不利に働きづらく、彼氏や夫に支援されながら生活する選択肢もあります。
しかし男性は経済的にも人格的にも強くあることが求められるので、異性の支えなしでひとりで生きていかねばならないのです。
発達障害の男性は、この社会で弱者であることすら許されない存在である。
発達障害者が会社を辞めて思ったこと② 贅沢しなければ正社員じゃなくても生きていける

一生独身で金のかかる趣味を持たなきゃいいんじゃね?
今まで正社員で稼ぐことが前提になっていました。
たしかにたくさん稼げるに越したことはありませんが、天涯孤独でろくな趣味もない発達障害には最低限の金があれば充分。
むしろ、日々のストレスを減らす方が稼ぐよりもよっぽど重要なのです。
人付き合いしなければ節約になる
会社を辞めて実感したのは、人付き合いは金がかかるということです。
飲み会や交通費、イベント参加費など、一瞬の楽しさと引き換えに金が飛んでいきます。
また、僕の場合は人付き合い自体がストレスになることが多かったので、過食や買い物での発散に逃げてしまい、無駄遣いをたくさんしてきました。
孤独は少し寂しい面もありますが、慣れてしまえばストレスはないし金も貯まるしで、人によっては超快適です。
結婚式にも巻き込まれずに済む。
何しても楽しさを感じないから金がかからない
僕は退職してから1年間ニート生活をしました。
その際いろいろな趣味を試してみましたが、どれも楽しいと感じられませんでした。
- ロードバイク→o脚のためまともに乗れず挫折
- 筋トレ→週1でやる習慣はついたけど楽しくはない
- お絵描き→下手過ぎて挫折(上の画像参照)
- 読書→楽しいけど趣味になるほど楽しくない
- カフェ巡り→家でコーヒー飲んでればいい
- 美術館巡り→何が楽しいのか理解できない
- YouTube投稿→大変だし誰も見ないしそもそも投稿したい事がない
- アニメ→楽しいけど趣味になるほど楽しくない
- 写真→撮りたいものがない
…etc
僕が元々無趣味な人間なだけかもしれませんが、やはり鬱状態になると何も楽しめません。
寛解すれば変わるかもしれませんが、たいした趣味がなくて生き甲斐を感じない分、仕事を頑張らなくても済みます。
生き甲斐には金が要る、つまらない毎日には金がかからない。
安くて有益になる趣味だけで充分
何をしても楽しくないと、「そうせ時間潰しすら楽しめないならせめて有益なことを」と思うようになります。
物を買ったりプチ旅行をしたり色々な趣味をやってみたりしてきましたが、結局残ったのは読書と筋トレでした。
筋トレはダンベルとベンチ台の初期投資3万円だけで、手軽にずっと続けられる趣味です。
ずぼらな引きこもりでも続けられたので、適度な運動としておすすめです。
適度な筋肉が付くだけで自己肯定感が高まるので、筋トレは心の健康にもなります。
元々死のうとしていたし、今の事だけ考えていればいい。
発達障害者が会社を辞めて思ったこと③ 浮世離れして劣等感がなくなる

普通にはなれないのを受け入れられるようになってきたよ。
1年間ニートをしてSNS断ちをしていると、世間体や周りのことがどうでもよくなります。
今まで正社員として生きるのが当たり前だと思い込んでいましたが、できるだけストレスが少ない方法でそこそこ稼ぐのがいちばんだと気付けました。
人生のレールから外れて全部どうでもよくなる
大学を出て、名の知れた企業か役所で働いて、ぼちぼち彼女を作って30代で結婚するのが当たり前だと思っていました。
ですが自分の正体は何の職能もコミュ力もないただの無能な男で、この社会である意味いちばん弱い存在だったのです。
その気になればどこぞの正社員になれるかもしれませんが、もう向いてない会社員になるのは疲れました。
辞める前は怖かったですが、実際ニートになってみるといらない見栄も捨てられるようになります。
優秀な定型と比較しても、一生幸せにはなれない。
人並みの幸せは選ばれた人間だけの娯楽
普通に働いて、普通に結婚して、普通に子供を産んで、普通のハードルはめちゃめちゃ高いです。
いま若者は「何者にもなれない」ことに悩んでいるようですが、凡人になれている時点で上級国民です。
発達障害者は何を成し遂げるかではなく、何を諦めるかを選ばなければなりません。
働いて嫌な思いをしたくなければ、金にまつわる幸せを諦め、不幸は受け入れる。
そうすれば”自分らしい”人生を歩めるのではないでしょうか。
関連記事:発達障害が人並みの幸せを諦めるべき理由【不幸を回避する3STEP】
諦めていい最低ラインを決め、そこから逆算して生き方を決めよう。
発達障害に才能も強みもない
発達障害でも社会的に成功している人はいますが、それはごくわずかな特例です。
才能も強みもない発達障害者はまともに生きていくことすら困難。
だから生きているだけでもうギリギリ精一杯がんばっていると思います。
なのに定型の価値観を持ちだして、わざわざ自分を苦しめるのはよくありません。
いかにストレスを少なくして生命維持できるかだけ考えていきましょう。
定型の価値観はとっとと捨てて、自分を全力で守ろう。
発達障害者が会社を辞めて思ったこと まとめ
(画像)
この記事では、「発達障害者が会社を辞めて思ったこと」について解説。
最後にもう一度、ポイントをおさらいしましょう。
- 定型と同じ人生は無理
- 贅沢しなければ正社員じゃなくても生きていける
- 浮世離れして劣等感がなくなる
定型の価値観を捨てられるかがポイントになってきますが、失業手当などでニートをしてSNS断ちしてみると、だんだん世の中がどうでもよくなります。
慣れるまでが大変ですが、キマれば気持ちが相当楽になります。
もし自殺寸前まで追い込まれていたら、迷うことなく現実からも世間体からも逃げることをおすすめします。
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