就職や毒親との決別のため、一人暮らしをする発達障害者に立ちはだかるのは「金銭管理」の壁です。
「一人暮らしなんてしたら絶対に破産する!」と不安な人、あるいはもう破産寸前の人も多いのではないでしょうか。
僕も大学から一人暮らしを始めて10年目になりますが、衝動を止められずローンで大型バイクを購入し、食パン生活をしていた時期もありました。
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
- 贅沢してないのにいつも金欠
- 一人暮らしがしたいけど不安
- 毒親から逃げたい
そんな悩みを解決します!
この記事では、「発達障害者が金銭管理をできない理由」について解説。
最後まで読めば、一人暮らしでの金銭管理スキルが上がり、環境面での選択肢を増やせます。
筆者の発達障害プロフィール
- 手帳3級のADHD
- ASD・APD・HSP傾向あり
- 社会人で発達障害が発覚
- 定型(健常者)にギリ擬態できる
- 一人暮らしは可能レベル
発達障害者はただでさえ収入が低くなりがちなのに、金銭管理までできないとなると、一生自由にはなれません。
実家に依存する形では自立しているとは言えず、もし毒親家庭なら人生が詰みます。
金銭管理は発達障害者が生きていくうえで重要なスキルなので、ぜひ参考にしてください。
目次
発達障害者が金銭管理をできない理由① 数字を実感しにくい

電子決済だと、お金を使った実感があんまりないんだよね…。
今どきは電子決済サービスが普及していますね。
めんどくさがり屋の僕も財布を売っぱらい、ほぼスマホかクレジットカードで支払いを済ませています。
しかし発達障害者には数字を実感しにくいという落とし穴が。
目に見えるお金が減らないと”使った感”が出ないので、僕も罪悪感なくクレカで衝動買いしてしまうことがあります…。
便利なシステムには頼らなければならないのに、それによって苦しめられるのが発達障害者の辛いところですね。
- 現金で支払いをする
- 項目ごとに予算を決める
- 必要な額しか持ち歩かない
ここからは、数字を実感しにくい場合の対策について解説していきます!
現金払いをする
電子決済だと消費の実感が得られないなら、不便でも現金払いをするしかありません。
むしろ不便だからこそ、余計な買い物を躊躇するというメリットもありますね。
発達障害者はめんどくさい事はとことん先延ばしにするので、その習性を利用するのも手です。
数字への認識バグを改善し、衝動買いも抑制できて一石二鳥!
項目ごとに予算を決める
月の初めに、1か月で使っていいお金を引き出しておきましょう。
さらにそこから、食費・生活費・交際費・雑費・趣味…などに分類し、予算配分を決めて個別に管理します。
支出額を把握しないと、罪悪感もなく漠然とお金を使ってしまうんですよね…。
もし予算を守れなくても、自分の金遣いをしっかりと体感できれば、その痛みが衝動買いを抑制してくれます。
目標を立てなければ、何も考えずに浪費する習慣がついてしまう…。
必要な額しか持ち歩かない
外出する時は、余分なお金を持ち出さないようにしましょう!
財布に入っていれば入っているだけ使いたくなってしまい、それを意志の力で止めることはできません。
余計なお金を使えないよう、物理的に制限をかけます。
もちろん銀行に行っておろせば済む話ですが、発達障害者がそんなめんどくさい事をする可能性は低いです。
自分の意思は一切信用せず、物理的な仕組みで解決しよう!
発達障害者が金銭管理をできない理由② 支出を把握していない

家計簿なんてつけられてるなら発達障害者やってないんだよなぁ…。
発達障害者はあいまいなものを認識するのが困難なので、「支出を把握していない=破産」と言っても過言ではありません。
ですが、小まめに家計簿をつけてチェックするなんて、発達障害者にはとてもじゃないけどできないんです。
そこで、諸刃の剣ですがクレジットカードも登場します。
- 現金の減りだけ把握する
- クレジットカードで家計簿管理
- 浪費するタイミングを自覚する
もちろん、浪費を減らすとなれば現金払いは有効です。
しかし、「家計簿を自動作成できる」という点でクレジットカードはとても優れています。
ちなみに僕は、現金払いの「消費を抑制できる」というメリットよりも、クレジットカードの「家計簿を自動作成できる」というメリットの方が大きいと考え、クレカ派です。
現金の減りだけ把握する
先ほど、現金を項目ごとに予算配分し、個別に管理する方法を解説しました。
家計簿と言っても、いつ何に何円使ったかまで把握する必要はありません。
月末になったら、どの項目のお金がどのくらい減っているかをざっくり確認できればOK。
もし使い過ぎているなら危機感を持つことができ、それだけでも段違いです。
金銭管理は完璧を求めなくてもOK!
クレジットカードで家計簿管理
あれだけ現金を勧めておきながら矛盾するようですが、家計簿管理の便利さに重きを置くなら、断然クレジットカードが便利です。

僕は支払いのほとんどを楽天カードで行っていますが、このように全自動で家計簿を作成できます。
ポイントは、支払いを1枚のクレジットカードで統一することです。
そうすれば全体の家計簿を見直しやすくなり、ポイントも貯まりやすくなります。
衝動買いが少ないなら、クレジットカードが実用的でおすすめ!
浪費するタイミングを自覚する
人それぞれ浪費しがなタイミングがあります。
僕の場合は、バイクなど大きな買い物をしたときです。
テンションが上がって高価なウェアやヘルメットに手を出してしまいましたが、衝動買いの典型ですね。
もしこの時、「大きな買い物をする時は必要以上に買わないよう気をつけよう」と思っていれば、少しは浪費を抑えられたはずです。
完全には止められなくても、自覚だけでもしておきましょう
これは浪費か必要な出費か、一瞬でもいいから考えよう!
障害特性で浪費している

発達障害者はただでさえ収入が少ないのに、お金を使いやすいなんて…。
発達障害と浪費の相性は抜群です。
好きなものにはとことんお金をつぎ込み、衝動買いや物忘れ・紛失で予想外の出費が重なります。
そして「贅沢はしていないのになぜか金欠」という悲しい状態に…。
- 衝動買い(ADHD)
- 不注意(ADHD)
- こだわりの強さ(ASD)
ここからは、障害特性による浪費について解説します。
対策はできても治すことはできないので、完璧さは求めないようにしましょう。
衝動買い(ADHD)
ADHDのお家芸とも言える衝動買い。
一度スイッチが入ると止められないんですよね…。
何なら一週間寝かせても、頭が衝動買いを正当化するモードに入っているのでどうしようもありません。
最低限守るルールだけ決めておいて、あとは好きなだけ自分のADHDを暴れさせるほかなさそうです。
- 1週間は検討する
- 友達から意見を仰ぐ
- 少しでも迷ったら買わない
- まずは似た安い商品を試して、本当に気に入ったら買う
ここまで考えたらもはや衝動買いじゃないかもしれませんが…。
ただ、「長期的な衝動買い」というパターンもあるので、入念に対策しておきましょう。
”買うこと”自体が目的の場合は、諦めるしかないかも…。
不注意(ADHD)
発達障害者は物忘れや紛失がとても多いです。
僕も先日、全くカバンから出した記憶がないのに、なぜかAirPods Proを失くしました…。
イヤホンや財布を失くすのは定番なので、それによってどんどん出費がかさんでしまいます。
ただこれはどうしようもないので、失くす前提で安物を使うようにするとか、コンパクト化して一か所にまとめておくとかで対策しましょう。
不注意による出費は必ず発生するので、いかに被害を抑えるかを考えよう!
こだわりの強さ(ASD)
飽きっぽいADHDとは対照的に、ASDはこだわりだすと徹底的に突き詰めます。
僕も一時期アイドルにはまっていましたが、握手会とかイベントとか制覇しないと気が済まないんですよね。
普段ある程度節約できている人ほど、その反動で「趣味のために使うんだ!」と意気込んで生活苦になるまでのめり込んでしまいます。
完璧主義の傾向があると、理想を叶えなければならないという、ある種の強迫観念に支配されてしまいます。
これもある程度満たしてあげなければ解放されないので、予算をきっちり決めておくことが大切です。
視野が狭くなり過ぎないよう冷却期間を設けるとか、日ごろから色々な事に興味を持ってみるように心がけるなども効果的ですよ。
完璧主義は完全に排除できないので、いかに薄めて被害を抑えるかを考えよう!
発達障害者が金銭管理をできない理由 まとめ

この記事では、「発達障害者が金銭管理をできない理由」について解説。
最後にもう一度、ポイントをおさらいしましょう。
- 数字を実感しにくい
- 支出を把握していない
- 障害特性で浪費している
浪費が止まらないのは、楽に支払いができてしまうからです。
現金主義してあえて不便にすれば、発達障害のめんどくさがりによって浪費を抑制できます。
ある程度浪費を抑えられている人に関しては、クレカ払いにして自動で家計簿を作成し、細かい調整をしていきましょう。
ただ、そもそもの原因は脳の機能障害なので、完全に克服することはできません。
「できる、できない」の二元論ではなく、「どのくらい無駄遣いを減らせたか」で成果を判断しましょう。
金銭管理ができるようになれば、一人暮らしが可能になったり、給料は下がるけど自分に合っている会社に転職できたりと、将来への選択肢が広がります。
おすすめに障害者雇用と転職サービスについては次の記事にまとめているので、ぜひご覧ください。