退職

発達障害で退職するときの伝え方【実体験あり】

黒板と女性

上司に退職する旨を伝えるとき、発達障害のこともカミングアウトしたほうがいいか迷っていませんか?

僕は広告代理店の営業として3年間働いてきましたが、最後は発達障害をカミングアウトして退職しました。

発達障害退職するときの伝え方について、実体験をもとに解説していきます。

あなたはこんな悩みを抱えていませんか?

  • 発達障害が原因で退職するときの伝え方を知りたい
  • 発達障害をカミングアウトしたほうがいいかわからない
  • この先も転職を繰り返しそうで不安

こんな悩みを解決します!

結論として、完全に退職を決めているならば、発達障害をカミングアウトする必要はありません。

ですがその前に、事前の相談や障害者手帳の手続きなど、やっておいた方がいいことはあります。

退職するとき損をしない方法も含めて、解説していきます!

目次

発達障害で退職したい理由

理由を言う画像
疲れたサラリーマン
疲れたサラリーマン
発達障害の転職理由はだいたい似ているね。

発達障害で退職したい主な理由は、次の3つです。

発達障害で退職したい理由
  1. 仕事ができない
  2. 人間関係
  3. 精神的につらい

下のグラフをご覧ください。

これは、発達障害の人が転職した理由についてのアンケートです。

アンケートの画像

引用:ぴあさぽ!Deコンサル

キャリアアップなどのポジティブな理由ではなく、ネガティブな理由が目立ちますね。

それぞれ深堀りして解説していきます。

①仕事ができない

発達で退職したい理由の1つ目は、「仕事ができない」です。

発達障害の特性上、仕事をするうえで下記のような悩みが出てきます。

  • コミュニケーションがうまくとれない
  • スケジュール管理ができない
  • 集中できない
  • 物忘れをする
  • ケアレスミスが多い

健常者からしたら「当たり前のこと」「それは誰でも同じ」ですが、発達障害の場合は度が過ぎています。

僕も努力しているのにミスが一向に改善しなかったので、毎日上司から怒られてキツかったです。

詳しくは【対策あり】発達障害の仕事が続かない理由【5選】に書いているので、あわせてご覧ください!

仕事ができないため立場がない

②人間関係

発達で退職したい理由の2つ目は、「人間関係」です。

仕事ができないので迷惑がられ、コミュニケーションも苦手なので職場に馴染めません。

僕は若手の営業マンということもあり、「ミスは多いけど元気で素直」というキャラで何とか乗り切っていました。

しかしそれは若手のうちしか通用せず、それでも仕事で関わる人にはいつも嫌な顔をされていたので、つらかったです…。

詳しくは、【対策あり】発達障害の仕事が遅い理由【5選】で書いています。

無能&コミュ障で人間関係は悪化

③精神的につらい

発達で退職したい理由の3つ目は、「精神的につらい」です。

働くモチベーションは、「やりがい」「給料」「人間関係」の大きく3つに分類されます。

これを発達障害に当てはめてみると、

  • やりがい⇒それどころじゃない
  • 給料⇒出世は見込めない
  • 人間関係⇒崩壊

このようになりますね。

仕事をするうえでの精神的支柱がなく、毎日怒られて自己肯定感が削られていくので、仕事が”苦痛”以外の何物でもなくなります。

仕事によって人生が苦しめられる

発達障害で退職する前にやること

やることの画像
疲れたサラリーマン
疲れたサラリーマン
退職する前に何をしておけばいいんだろう…?

発達障害で退職する前にやることは、次の5つです。

発達障害で退職する前にやること
  1. 上司に相談
  2. 精神障害者手帳の取得
  3. 自立支援医療の申請
  4. 傷病手当の申請

特に②と③が重要になります。

それでは、一つずつ深掘りしていきます!

①上司に相談

発達障害で退職する前にやることの1つ目は、「上司に相談」です。

上司に相談することで、以下のメリットがあります。

上司に相談するメリット
  • 気持ちが楽になる
  • 配慮してもらえる
  • 配置転換をしてもらえる

「ウチの上司は理解してくれないよ!」「言い訳してるみたいに思われそう…」

そう心配する人も多いですよね。

確かに、発達障害を相談したことで退職に追い込まれてしまった事例もあり、リスキーです。

ですが、相談して立場が悪化する会社なら、どのみち先はありません。

ちなみに僕の場合は、現状を伝えることで上司に配慮してもらえるようになりました。

「配慮してもらえるかどうか」を退職の基準として考えてみてはいかがでしょうか。

上司への相談については、職場で発達障害をカミングアウトするとき気をつけること【3選】にて詳しく書いています。

上司に相談してダメなら、退職にシフトしよう!

②精神障害者手帳の取得

発達障害で退職する前にやることの2つ目は、「障害者手帳の取得」です。

精神障害者手帳のメリットはこちら。

精神障害者手帳のメリット
  • 税金が優遇される
  • 料金が割引される
  • 障害者雇用へ応募できる
  • 失業手当の期間が延びる
  • カミングアウトで説得力が増す

詳しくは【大人の発達障害】精神障害者手帳のメリットに書いているので、ぜひご覧ください。

加えて、手帳の取得には時間がかかります。

僕の場合は、

  1. 初診の予約に3か月
  2. 診断書を書いてもらうまで6か月
  3. 手帳を交付されるまで3か月

以上で約1年かかってしまいました。

発達障害の相談件数は年々増えているため、診断のスケジュールがかなり伸びます。

思い立ったらすぐにクリニックへ電話しましょう!

「もう無理…」となってからでは手遅れに!

③自立支援医療の申請

発達障害で退職する前にやることの3つ目は、「自立支援医療の申請」です。

自立支援医療制度とは。

自立支援医療制度は、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。

引用:自立支援医療制度の概要 – 厚生労働省

自立支援医療制度を活用すれば、通院費や薬代の自己負担額が3割から1割まで軽減されます。

たとえば僕の場合なら、

1か月分の薬代

3割負担 約5,000円

1割負担 約1,600円

このように、薬代だけでも大幅な減額になるんです!

自立支援医療制度は、医者から診断書をもらったあと、精神障害者手帳と一緒に申請できます。

診断書は「初診から6か月経過しないと書けない」というルールがあるので、診断は早めに受けましょう。

手帳をもらうついでに申請しておこう!

④傷病手当の申請

発達障害で退職する前にやることの4つ目は、「傷病手当の申請」です。

傷病手当は、会社員や公務員で「健康保険」に加入している人が対象の制度です。

たとえば発達障害が原因でうつ病になり、療養のため休む場合に適用されます。

期間は最長1年6カ月で、月給の2/3を日割りした金額が、休んだ日数だけ支給されるんです。

支給条件はありますが、医者から「会社を休んでください」という診断書をもらったら、傷病手当を検討しましょう

ドクターストップなら無理して働かない!

発達障害で退職するときの伝え方

伝え方の画像
疲れたサラリーマン
疲れたサラリーマン
発達障害のこと、言った方がいいのかな…?

退職の腹が決まっているなら、あえて発達障害を伝える必要はありません。

もう関りは無くなるわけですから、言われたところで相手も対応に困るでしょう。

ただし次の場合は、あえて発達障害であることを伝えたほうがスムーズです。

  • 無駄に励まされたとき
  • 退職を引き止められたとき
  • 自分がスッキリしたいとき

退職の理由として発達障害を伝えるときは、次のポイントに気をつけましょう。

発達障害で退職するときの伝え方
  1. まずは事実だけ伝える
  2. 精神的なつらさを伝える
  3. 言い訳がましくないように伝える

それでは、一つずつ解説していきます。

①まずは事実だけ伝える

発達障害で退職するとき、まずは事実だけを伝えましょう。

伝えるべき事実は、以下のとおりです。

  • 原因が発達障害であること
  • 医者から診断書をもらっていること
  • 精神障害者手帳をもっている(申請中である)こと

ミスが多い・忘れっぽいなどの症状は、程度の差はあれ誰もが持っています。

健常者からしたら、「甘え」「努力不足」「みんな同じ」という感想しか出てきません。

そのため、客観的な事実として、専門家である医者の診断書や障害者手帳が必要になるのです。

証拠を見せて納得してもらおう!

②精神的なつらさを伝える

事実を伝えたあとは、精神的なつらさを話してみましょう。

「人並みのことができない」「生きづらい」という苦しみは、言わなければ絶対に伝わりません。

いや、言っても理解はされないでしょう。

それでも診断書や手帳があれば、「ただの言い訳ではない」という見方をしてもらえる可能性があります。

そもそも退職理由に正当性はいらないので、ここは思いのたけを話してみましょう。

自分の気持ちに客観性はいらない

③言い訳がましくないように伝える

精神的なつらさを話すときは、言い訳がましくならないように注意しましょう。

仮に発達障害という診断があっても、言い方しだいでは反感を買われてしまいます。

  • こんなにつらいのに誰もわかってくれない
  • 発達障害だからできないのは仕方ない
  • 自分はこんなにがんばっているのに認めてくれない

僕も発達障害なので気持ちはわかりますが、「自分にも非はある」というスタンスを心がけてみましょう。

  • 自分が至らないのは大前提ですが~
  • みなさんにサポートしてもらいましたが~
  • 自分なりに努力してみましたが~

相手に配慮したフレーズを少し加えてあげれば、印象はだいぶ変わりますよね。

感情的になりすぎないように気をつけよう!

筆者が発達障害で退職したときの伝え方

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疲れたサラリーマン
疲れたサラリーマン
筆者も退職するときにカミングアウトした経験があります。

最後に、僕が発達障害を伝えたときの体験談を書いていきます。

僕は3人の上司にだけ、発達障害であることを伝えました。

その中でも”退職を申し出るタイミング”で発達障害を伝えたのは、営業部の部門長です。

筆者は発達障害をどう伝えたか

僕が部門長に退職を申し出たときの流れは、以下のとおりです。

  1. 退職したいと考えています
  2. 仕事がうまくいかず、精神的にも乗り越えられないと思ったからです
  3. 発達障害の診断書をもらっていて、精神障害者手帳も申請中です
  4. 発達障害は原因のひとつですが、ひとえに自分が至らなかったです

語弊はありますが、「悪いのは僕であなた方は被害者ですよ」というスタンスをつらぬきました。

営業らしく、へりくだって発達障害を伝えた

めちゃくちゃ引きとめられる

「自分が悪いスタンス」で発達障害を伝えた結果、めちゃくちゃ引きとめられました。

引きとめフレーズはこちら。

  • 考え過ぎ
  • 若手だからこのくらいの失敗は当たり前
  • それなら俺だって発達障害
  • 医者は金もうけのために診断してるだけ

全然寄り添ってくれてないですね。むしろあおりです。笑

「発達障害は脳の機能障害だから改善しない」ということを正確に伝えないと、根性論を押し付けられます。

必要な知識は相手にしっかりと伝えよう!

発達障害で退職するときの伝え方 まとめ

新聞の画像

この記事では、「発達障害で退職するときの伝え方」について解説してきました。

もう一度、ポイントをおさらいします。

発達障害で退職するときの伝え方
  • まずは事実だけ伝える
  • 精神的なつらさを伝える
  • 言い訳がましくないように伝える
  • 必要な知識はしっかり伝える

退職することが決まっているなら、発達障害を伝える必要はありません。

ですがもし伝えるなら、事前に伝えるべきことや言い方などを整理しておくといいですよ!

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