発達障害者が会社で働くと、ろくなことがありません。
仕事はできず、みんなから嫌われ、精神的苦痛と疲労の毎日だけど、それが報われる日は永遠にこない。
僕も会社員時代は、「発達障害 向いてる 仕事」で検索ばかりしていました。
結局、新卒で入社した会社を3年目で辞めてフリーランスに。
Webライターのスキルも経験もなかったですが、もうフリーランスにならざるを得なかったのです。
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
- 発達障害の適職がどれもピンとこない
- 会社員は無理だけど、バイトも気が引ける
- フリーランスに興味があるけど不安
こんな悩みを解決します!
この記事では、「発達障害はフリーランスに向いてるか」について解説。
最後まで読めば、ノースキルで無能な発達障害がフリーランスになるとどうなるのか、リアルな様子がわかります。
筆者の発達障害プロフィール
- 手帳3級のADHD
- 体感ではASDの傾向が強い
- 社会人で発達障害が発覚
- 定型(健常者)にギリ擬態できる
- 一人暮らしは可能
それでは、さっそく見ていきましょう!
目次
発達障害の筆者がフリーランスになった理由


筆者がフリーランスになった理由は、次の3つです。
- 会社員に向いていない
- どうせ転職しても同じことを繰り返す
- 単純作業では先がないと思った
- ビジネス系YouTuberに影響された
コンビニバイトも満足にできなかった自分は、人並みに働くなんてできないと思いました。
そうなると、選択肢はフリーランスくらいしかありません。
「フリーランスならやっていける」という確信はなく、そうならざるを得なかったのが実情です。
①会社員に向いていない
入社して以来、毎日のように「自分は会社員に向いていない」と悩んでいました。
- コミュニケーションから逃げられない
- 労働時間と環境が固定されている
- 仕事を自分の裁量で進められない
- 向いていない仕事もやる必要がある
- 会社の雰囲気に馴染めない
「この仕事は向いていない」「あの上司とはそりが合わない」というピンポイントな悩みではありません。
根本的に人としてオワコンというか、本当に何をやってもダメ。
毎日上司からは罵倒されるし、仕事で関わる人には迷惑かけて嫌われるし、こんな地獄は初めてでした。
”会社員”という当たり前が心底苦痛だった。
②どうせ転職しても同じことを繰り返す
仕事内容や職場が合っていないだけなら、転職すれば解決します。
ですが僕の場合は、会社員という働き方自体が向いていないので、転職したところで無意味。
転職した先々で同じことを繰り返すのは明白だったので、手の打ちようがありませんでした。
そもそも強みになるスキルやキャリアも持ち合わせておらず、そんな第二新卒を欲しがるのはヤバい会社しかないですよね。
会社や職種を変えたところでどうにもならない、逃げ道はどこにもありませんでした。
転職は対処療法、根本的な解決にはならない。
③単純作業では先がないと思った
正社員も派遣社員も無理、それなら障害者雇用やバイトで”単純作業”をするしかありません。
僕は学生時代に様々なバイトを転々としてきました。
その中でストレスなく働けたのは、「Amazon倉庫の仕分け」「スーパーのレジ打ち」です。
単純作業で人との会話もなく、頭を使わず黙々と作業していればいい。
僕に向いているのはこういった仕事ですが、低賃金だし、いずれはAIに奪われる仕事でもあります。
仮にそれで生きていけたとしても、有名企業で働いている同級生への劣等感に耐えられる自信はありませんでした。
できる仕事はわかってる、でも受け入れられなかった。
④ビジネス系YouTuberに影響された
発達障害の適職を検索していると、「フリーランス」というワードを目にするようになります。
好きな仕事を、好きな時間に、好きな場所でできるフリーランスは最高だと。
でも僕のイメージは、「フリーランスなんて一部の才能とスキルのある人だけがなれるものであって、底辺無能発達障害には無理でしょ」といった感じでした。
ですがビジネス系YouTuberたちは、僕が欲しかった言葉をくれるわけです。
- 向いてないことを頑張るのはコスパ悪い
- 得意分野を仕事にしよう
- 最初はみんなノースキルだった
- 地道に積み上げれば成果は出る
- 会社へ依存する生き方は危険
- 伸びしろのあるIT分野で働くべき
毎日ビジネス系YouTuberの動画を見て、こうした言葉を聞いていたら、自然と「フリーランスになるしかない!」と思うようになりました。
Webライターを選んだのは、敷居が低かったのと、人から唯一褒められたのが”文章力”だったからです(謙遜抜きでたいしたことありませんが)。
毎日同じ言葉を聞いてると、いずれ洗脳される。
発達障害がフリーランスになるメリット


発達障害がフリーランスになるメリットは、次の3つです。
- 人間からの解放
- 自由な環境で働ける
- 仕事の量や内容を調整できる
- 前向きに仕事ができる
フリーランスは「仕事・人・場所」を選ぶことができ、発達障害にとってはこの上ない働き方です。
金銭面に困ることはありますが、「軽度発達障害者はフリーランスになるべき」と断言できます。
もちろん、各々の障害特性にはよりますが。
①人間からの解放
人間関係に悩むことがない、これが何よりも大きかったです。
- 罵倒してくる上司
- 自分を嫌う同僚
- 話しかけてくる同僚
- 迷惑そうにするお客さん
- 飲みに誘ってくる先輩
ストレス源だったあらゆる人間から解放され、本当に気持ちが楽になりました。
お客さんとの連絡は全てチャット。
僕は聴覚情報処理障害(APD)なので、会話をしなくていいのが本当にうれしかったです。
話すことも聞くこともない。これが発達障害の幸福。
②自由な環境で働ける
発達障害には、オフィスという空間がどうしても苦痛です。
- 雑音が気になる
- 隣のおじさん社員が不快
- 空調が弱い
- 自由に休憩しづらい
- スーツが疲れる
- エチケットが大切
不快で気になって仕方がないのに、それを自分でコントロールすることができない。
合わない仕事に加えて、働く環境まで合わないとなれば、それはもう刑務所です。
前世で悪い事をしたから、発達障害なんて精神疾患を与えられたんですかね。
ですが今では、自室でのびのびと作業に集中できて、ストレスがなく本当に幸せです。
家に引きこもれるし、カフェでおしゃれ感を出すこともできる。
③仕事の量や内容を調整できる
発達障害はワーキングメモリが小さいです。
つまり、定型(健常者)よりも脳のスペックが劣っているため、情報処理と適切な動作ができないということ。
発達障害は脳の先天的な機能障害なので、これを努力で治すことはできません。
これに対処する方法は、「仕事量を減らす、作業工程を簡略化する」しかありません。
しかし会社員である以上、自分の都合だけで仕事を選ぶことはできませんよね。
フリーランスならば、仕事量や内容を自分で調整することができます。
作業自体も「調べる→書く→確認」と非常にシンプなので、発達障害でも取り組めます。
業務量を調整できるのは、フリーランスの強み。
④前向きに仕事ができる
僕にとっての仕事は、「苦痛に耐え抜く代わりにお金をもらう行為」でした。
それがフリーランスになって、「もっと勉強したい、仕事を取りたい、自己投資したい」と思うようになったんです。
会社員時代なら、「業務時間だけでも苦痛なのに、プライベートで仕事の勉強、ましてやお金をかけるなんてあり得ない!」という考えでした。
それが今では、サブモニターにイスに昇降デスク、電子書籍端末のkindlepaperwhiteなど、すっかり意識が高くなってしまいました。
というより、勉強して作業も効率化しないと仕事の質も落ちるので、反強制的に意識高い系になってしまう感じです。
ストレスが取り除かれると、仕事で意識高い系になれる。
発達障害がフリーランスになるデメリット


発達障害がフリーランスになるデメリットは、次の3つです。
- 自己管理しなければならない
- 収入が少なく毎日不安
- 逆にワークライフバランスがなくなる
やはりスキルがない駆け出しのフリーランスは、収入面でかなり不安です。
加えて、発達障害ゆえの先延ばし癖や計画性のなさが、いかんなく発揮されてしまう環境でもあります。
「自己管理ができない」「安定した収入が欲しい」という人には向かない働き方です。
自己管理しなければならない
発達障害に欠けているもの、それは自己管理能力ですね。
「会社へ行かなければならない」という強制力によって成り立っていた生活が、フリーランスになることで崩壊する可能性は大です。
僕もだらしなくて妥協ばかりするタイプですが、次のようにして工夫していました。
- 生活スケジュールを固定
- 集中できる午前中から作業
- 作業用BGMで集中する(吹奏楽)
- PC環境を充実させ、やる気をアップさせる
- 案件はエクセルで管理
- お客さんには即レスする
「朝起きたら速攻PCに向かう」というように、作業する習慣をつけるようにしました。
僕はASD傾向が強いので、毎日同じことを繰り返すのは得意な方です。
「やる気が出たら」ではなく、習慣化することで自己管理につなげていきました。
強制力がないと動けない人は、要注意。
収入が少なく毎日不安
僕は本当にスキルがないWebライターです。
よく「初月から10万稼げました」という人がいますが、そういう人は元不動産・金融会社勤務だったりする「なんちゃって初心者」なんですね。
不動産とか金融は文字単価が高いジャンルなので、仕事の経験が活きるんです。
一方、僕は古くて弱小の広告代理店出身なので、本当に武器がありません。
僕の初月は、1か月間毎日朝から晩まで作業して6万円でした。
貯金を切り崩しながら、ずっと休みなく家で作業してます。
お金の不安は尽きず、友人とも疎遠になってきています。
もし貯金が尽きたら、潔く死ぬつもりです。元々発達障害の人生に期待なんてしてなかったので、ちょうどいいですね。
お金の心配ばかりして毎日生活することになる。
逆にワークライフバランスがなくなる
フリーランスになってからは、休みなく毎日朝から晩まで労働です。
それでも時給300円くらいで、月収は6万円。
ワークライフバランスどころではありません。
スタバでマックを開いて自由気ままに働けるのは、ほんの一部の成功者だけなんです。
発達障害と同じですね。
1年もしないうちに新卒の年収くらい稼げるようになる人が多いようですが、数か月は辛抱が必要です。
最初から理想の生活には届かない
発達障害がフリーランスになる前にするべきこと


発達障害がフリーランスになる前にするべきことは次の3つです。
- 副業としてやってみる
- 貯金・固定費の見直し
- 精神障害者手帳の取得
今の職場が耐えられない気持ちはよくわかります。
しかし、いきなりフリーランスになるのはリスクが高すぎます。
家族に頼れる人ならいいですが、そうでない人は、安定して収入が入るうちにするべきことがあるんです。
副業としてやってみる
いきなりフリーランスとして独立するのではなく、まずは副業として始めてみましょう。
僕の場合は、Webライターの準備としてこのブログを始めました。
過去実績がないWebライターには誰も発注したがらないので、ポートフォリオ(見本)を作るという目的です。
他にも、「最低限のスキルを勉強をする」「いきなり受注してみる」でもいいですね。
副業禁止の会社であっても、月1万円稼いだくらいじゃバレる可能性は低いです。
会社員という安定した状態で、チャレンジしてみましょう。
独立する前に土台をある程度固めておく。
貯金・固定費の見直し
フリーランスになったばかりの頃は、とにかくお金が足りなくなります。
- 家賃
- 携帯代
- 通信費
- 交際費
- 食費
- 保険料
- 車の維持費
貯金だけでなく、こうした日々の出費は絶対に見直した方がいいですよ。
フリーランスになるとよくわかりますが、月に1万円稼ぐのは大変でも、1万円節約するのは簡単です。
ある意味節約も副業だと思って、無駄な出費はとことん削りましょう!
独立したら、無駄遣いする余裕すらなくなる。
精神障害者手帳の取得
まだ発達障害の診断を受けていない人は、精神障害者手帳をもらっておくようにしましょう。
- 税金の減免
- 失業手当の期間が延びる
- 障害者雇用の選択肢が増える
- 治療代が1割負担になる
- 障害厚生年金をもらえる可能性が生まれる
精神障害者手帳を取得してから退職することで、上記のようなメリットが生まれます。
ちなみに、僕は手帳を取得するまでに約1年かかりました。
それだけ今の職場で耐えられないなら、せめて初診だけでも受けてください。
詳しくは、【大人の発達障害】精神障害者手帳のメリットにまとめています。
手帳のあるなしで、退職後の負担が大違い。
発達障害はフリーランスに向いてる? まとめ

この記事では、「発達障害はフリーランスに向いてるか」について解説。
最後にもう一度、ポイントをおさらいします。
- 発達障害はおのずとフリーランスに
- 働き方は合っている
- スキルと貯金が問題
- まずは副業としてスタート
フリーランスになった瞬間から稼げるわけではありません。
最初の半年間くらいは、生活費を下回るでしょう。
そのために貯金だけは絶対にしておいてください。
あるいは、「障害者雇用で転職→定時退社→空いた時間に副業」という働き方もいいですね。
障害者雇用は賃金が低い傾向にありますが、そのぶん定時退社もしやすく、時間に余裕があります。
フリーランス独立までのつなぎとして、障害者雇用にチャレンジするのもひとつの手です。
障害者雇用については【障害者雇用】 発達障害の就職・転職支援サービス【おすすめ8選】にまとめているので、あわせてご覧ください。