発達障害を抱えながら働いていていると、「発達障害をカミングアウトするべきか」と迷ってしまいますよね。
僕も最初はカミングアウトせずにクローズ就労していましたが、上司と仕事についてふたりで面談する機会も多く、流れでカミングアウトしました。
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
- カミングアウトするべきか迷う
- うまくカミングアウトする方法を知りたい
- カミングアウトするメリット・デメリットを知りたい
こんな悩みを解決します。
この記事では、「職場で発達障害をカミングアウトするとき気をつけること」を解説。
読み終われば、職場で発達障害をカミングアウトするとき気をつけることがわかり、カミングアウトするかどうかの判断材料が明確になります。
広告代理店の営業として3年間働いていた筆者が、職場で発達障害をカミングアウトするとき気をつけることを解説していきます!
目次
職場で発達障害をカミングアウトするメリット3つ


職場で発達障害をカミングアウトするメリットは、主に3つです。
これらは上司の価値観や会社の都合によるところが大きいですが、メリットとして挙げておきます。それでは詳しく解説していきます。
①気持ちが楽になる
職場で発達障害をカミングアウトすることで、気持ちが楽になります。
発達障害はグレーゾーンも含めると10人に1人と言われていますが、まだまだ一般的ではありません。
実際に、「どうせ理解してもらえない」「仕事を続けられなくなりそう」といった理由で、発達障害の67%が職場へカミングアウトしていないという調査結果もあります(株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所調べ)。
ですが自分が苦しんでいるという思いを伝えるだけでも、気持ちがずっと楽になります。
僕も上司3人に発達障害をカミングアウトしました。
同僚みんなから無能と思われているなかで、原因をわかってくれる人が職場にいるというだけで安心感が生まれます。
コミュニティに理解者がいるだけでも心強い!
②配慮してもらえる
職場で発達障害をカミングアウトすることで、配慮してもらえることがあります。
僕の場合、発達障害の特性を伝えることで、次のように配慮をしてもらえました。
- スケジュール管理を手伝ってもらう
- 指示はできるだけ紙かメールに書く
- 困っていることはないか声かけを頻繁にしてもらう
こうした配慮をしてもらえたことで、以前よりも働きやすくなりました。
カミングアウトすることで上司の立ち回りが変わる!
③配置転換してもらえる
職場で発達障害をカミングアウトすることで、配置転換してもらえる可能性があります。
ただこれは会社の方針に左右されるので、希望しても「できるだけ配慮はするけど配置転換はちょっと…」と断れれることもあるでしょう。
僕は上長に退職の旨を伝えるついでに発達障害をカミングアウトしましたが、「営業が苦手なら対面の業務がない部署への異動を社長に申請する」とまで言ってもらえました。
それが叶うかどうかはさておき、「配置転換を受け入れてもらえるか」を退職の基準にするのもアリです。
配置転換は難しいけど、申し出る価値はある!
職場で発達障害をカミングアウトするデメリット3つ


職場で発達障害をカミングアウトするデメリットは、主に3つです。
職場の雰囲気によっては、カミングアウトがマイナスにはたらく可能性もあります。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
①言い訳していると思われる
職場で発達障害をカミングアウトすると、言い訳していると思われることがあります。
想定されるのは以下のような反応です。
- そんなのお前だけじゃない
- みんな苦手なことがあるけど工夫してる
- 自分だけがつらいと思って逃げるな
発達障害は、身体障害のように「見てわかりやすい障害」ではなく、ボーダーラインがあいまいで、言ってしまえば「多くの人に当てはまる障害」です。
発達障害は感覚の問題なので理解してもらうのが難しく、発達障害当事者が言語化するのが苦手という点も拍車をかけています。
発達障害を理解してもらうのはハードルが高い
②仕事を任せてもらえなくなる
職場で発達障害をカミングアウトすると、仕事を任せてもらえなくなる可能性があります。
自分の障害特性をうまく説明できないと、相手も「どうすればいいかわからないから、とりあえず仕事減らそう」という結論に至ってしまいます。
実際に僕の場合も、発達障害をカミングアウトした後の上司2人による打ち合わせで、「一旦仕事全部取り上げたら?」という案が出たらしいです。
「仕事が全部消えて社内ニートになったら、前向きに頑張る気になるだろう」という考えらしいですが、今後の評価やキャリアを考えたら恐ろしいですね。
「とりあえず」仕事を取り上げられるケースも
③障害者雇用を勧められる
職場で発達障害をカミングアウトすると、障害者雇用を勧められるケースも。
障害者雇用推進法により、民間企業で2.2%、国・地方公共団体で2.5%以上の障害者雇用を義務付けられています。
未達成の事業主には月に4万円の徴収、超過すれば2万7千円の支給があるため、障害者雇用の数字を稼ぐ必要があるのです。
発達障害も障害者にカウントされますし、今まで正社員として運用できていたため、「名目だけ障害者雇用にして使い倒す」というパターンも考えられます。
会社の障害者雇用状況についてもチェックしておこう
職場で発達障害をカミングアウトするときに気をつけること3つ


いよいよ発達障害を一人で抱え込むのが限界なら、カミングアウトも検討しましょう。
職場で発達障害をカミングアウトするとき気をつけることは、主に3つあります。
僕が実際にカミングアウトするとき気をつけたことです。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
診断を受けておく
職場で発達障害をカミングアウトするときは、事前に診断を受けるようにしましょう。
もし発達障害である根拠を聞かれたとき、「ネットの診断で多く該当していまして…」では根拠が薄く、言い訳の理由を探しているだけだと思われかねません。
発達障害の正式な診断結果を受けるのには時間がかかりますが、せめて「病院に通っています」と言えるだけでも信ぴょう性が高まりますよね。
僕がカミングアウトしたときは投薬療法をしていたので、口先だけではないことが伝わったと思っています。
関連記事:【大人の発達障害】診断を受ける流れ 時間や手間はかかる?
真剣に発達障害で悩んでいることをアピールしよう!
まずは上司と個室で話す
職場で発達障害をカミングアウトするときは、ますは上司と個室で話すようにしましょう。
仕事の割り振りや人事に影響力があるのはやはり上司ですし、話しやすい同僚からうわさで広まったら誤解を招く可能性もあります。
話すときは個室で、時間に余裕があるほうが落ち着いて話せます。
「仕事のことでご相談があるのですが、個室でお時間いただいてもよろしいでしょうか」とアポを取っておくとよいです。
大事な相談は個室で落ち着いて話そう!
何ができて何ができないのかを明確に
職場で発達障害をカミングアウトするときは、何ができて何ができないのかを明確にしておきましょう。
発達障害の特性は人によって様々で、ネットの知識ではなく自分の言葉で説明する必要があります。
また、できない事ばかり主張すると悪い印象を持たれてしまうので、「○○が苦手なので、△△してもらえたら働きやすくなります」という言い回しをするようにしましょう。
以下は、僕が実際に上司へ伝えた内容です。
- 発達障害の治療で通院していて、投薬治療も受けている
- 発達障害を言い訳にするつもりはないが、苦手なことが極端にできない
- マルチタスク・スケジュール管理・報連相が苦手
- メモやツールを使って克服しようとしているが、業務量が多いと対応できないので、調整してほしい
特に「発達障害を言い訳にするつもりはない」という点は強調しました。
自分の都合ばかり主張していては、相手も手を差し伸べる気がなくなってしまうからです。
発達障害だから今後どうするのか、まで伝えよう!
職場で発達障害をカミングアウトした人の体験談


ここからは、発達障害をカミングアウトした人の体験談を抜粋して紹介します。
カミングアウトがうまくいった人
https://twitter.com/pino_27s/status/953399471257174016
昨日は図らずも、職場の一人にADHDをカミングアウトする事になり、疲労してTwitter離れてました…。
結果としては、その方からの理解と配慮を頂けることになり、私にとって良い結果になったものの。
発達障害の「見た目ではわからない」事の辛さを感じました…。
— あすてる@ADHD/ASD/双極Ⅱ型/APD/INFP (@aster0109) October 5, 2019
上司が理解ある人なら、素直に悩みを打ち明けることができそうです。
そうした上司がいる職場は会社全体の環境もいい傾向になるので、チーム全体でもサポートも期待できます。
カミングアウトがうまくいかなかった人
以前の職場でカミングアウトした時に、「うちの息子も軽い発達障害がある。でも発達障害の要素って誰にでもある、だから工夫と努力で改善していけるはず」という言葉を貰った時、絶望を味わったと同時に、お子さんが発達診断済みなのに親として受け入れていないのは正直酷いと感じるばかりだった。 https://t.co/Z4dXoIEwbl
— レッド (@red_autism) December 5, 2019
発達障害だと職場でカミングアウトしても、理解してもらえなかった。
「精神的にデリケートな人」「変わった人」という風に思われただけ。
特に配慮されることもなく、デメリットしかなかった。
— 発達障害のジン (@jin9407) December 9, 2019
反対に、上司が自分の価値観でしか見てくれない場合は、理解してもらいにくいです。
身近に発達障害の存在があっても理解されないというところで、発達障害を伝える難しさが垣間見えます。
職場で発達障害をカミングアウトするときに気をつけること まとめ

この記事では、「職場で発達障害をカミングアウトするときに気をつけること」について解説してきました。
もう一度、ポイントをおさらいします。
- 診断を受けておく
- まずは上司と個室で話す
- 何ができて何ができないのかを明確に
発達障害をカミングアウトするかどうかは、上司や職場の雰囲気も考慮するといいです。
自分なりに伝えるための準備をして言い方に気をつけたとしても、結局は受け取り手しだい。
もしカミングアウトして立場が悪くなってしまうようなら、それこそ転職のきっかけにもなります。
もし周囲のサポートがないと耐えられない状況なら、カミングアウトに挑戦してみましょう。
